発達性ディスレクシアについての理解を深めたセミナー=7月28日、福井県永平寺町の福井県立大学永平寺キャンパス

 学習障害の一つで、読み書きに困難を伴う「発達性ディスレクシア(DD=読字障害)」についてのセミナーが7月28日、福井県永平寺町の福井県立大学永平寺キャンパスで開かれた。タブレット端末などの情報通信技術(ICT)を学校教育に取り入れる意義、方法に関する講義があり、県内の教育、医療関係者や学生、保護者ら約250人が熱心に聞き入った。

 DDは知的能力の低さや学習不足が原因でなく、脳機能の発達に問題があるとされる。学習障害の中で最も多く、日本では人口の1~3%とみられる。注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)が併存している割合が高く、英語など外国語の学習を苦手とする場合も多い。

 セミナーは、県内外で約400例を診断した平谷こども発達クリニック(福井市)の平谷美智夫理事長が開いた。

 平谷理事長は「DDの子は読み書きにエネルギーと時間を取られてしまい、学びを深める余裕がなくなってしまう」とし、ワープロを使って高校入試を受けられるよう求める診断書を出した事例や、入学後の配慮を依頼したケースを紹介。「ICTを活用することで、悩みがずいぶん軽減される。学校現場や周囲の理解が必要」と話した。

 金沢星稜大学人間科学部の河野俊寛教授は「障害がある人を変えるより、環境を調整してあげる方がよっぽど簡単」とし、必要な支援をして学習のスタートラインをそろえる「合理的な配慮」の重要性を強調。従来、「特別支援教育支援員」らが授業中の黒板の読み上げやテストの代筆などの支援をしてきたが、タブレット端末を使えば一人で行うことができ、自立につながるとした。

 東京大先端科学技術研究センターの平林ルミ特任助教は「まずは楽しそうな活動(ミッション)を与えて、その中で端末を使う必要性を作り出して」と、導入方法や有用なアプリを示した。立正大心理学部の仲嶺実甫子特任講師はDDの二次障害としての不登校について講演。パネルディスカッションもあった。

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