電柱の巣から飛び立つコウノトリのひな=7月26日午前9時35分ごろ、福井県坂井市

 福井県坂井市の集落内の電柱に作った巣の上で生まれた国の特別天然記念物コウノトリの4羽のひなのうち1羽が7月26日、巣から飛び立ち集落周辺を飛び回った。初飛行とみられる。およそ1分の飛行の後、巣に戻ってきたためこの時点では巣立ちとはいえなかった。

 最近は子どもの巣立ちを促すためか親鳥が巣を離れることも多く、残された雄2羽、雌2羽のひなは時々巣の上に立ち、風を受けて羽を広げふわりと浮く姿が連日見かけられるようになった。巣立ちをみようとアマチュアカメラマンやコウノトリのファンになったという人たちが見守っている。

 26日朝は南風がやや強く、風を受けて何度か飛び上がっていたひなの一羽が午前9時35分、巣の端から意を決したように飛び出し、そのまま西の方向へ飛んでいった。県内では、野外で生まれ育ったコウノトリが巣立つのは1961年の小浜市以来で、58年ぶりの巣立ちかと思われた。しかし1分後巣に戻ってきたため、巣立ちはお預けとなった。ほかのひなも巣から3メートルほど上に浮き上がる姿がも見られ、巣立ちは間近だ。

 この4羽は兵庫県豊岡市の人工巣塔で生まれた5歳の雄と6歳の雌の間に生まれた。高さ14メートルの電柱の上に営巣して産卵、5月下旬から順にひなが生まれた。遺伝子検査から雄2羽、雌2羽と判別された。集落や北陸電力は巣を作った電柱に電気が流れないよう一時的に停電して工事を行うなど、コウノトリの子育てを見守ってきた。

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