織田と引っ掛けて「織田のお宝」「戦国オタ集合!!」と書かれた看板=福井県の越前町織田文化歴史館

 福井県の越前町織田文化歴史館の入館者数が、ここ数年で3倍に増えた。2014年までは年間3千人台にとどまっていたが、15年に倍近くに伸び、以降は右肩上がり。昨年は過去最高の9651人に達した。所蔵品の充実に加え、織田とオタクを引っ掛けて「オタ集合!!」と呼び掛けるユニークな看板を設置するなど、学芸員による創意工夫が効果を上げている。

 同館は01年、旧織田町歴史資料館としてオープン。04年には6451人が入館したが、以降は減少傾向となり、14年までは年間3千人台で推移していた。観光スポットとして人気が高い劔神社の北隣という好立地にあるが、重厚な屋根瓦を備えるためか神社関連施設と勘違いされ、玄関先で手を合わせ、そのまま帰る人もいたという。

 そんな中、15年に劔神社所蔵の国宝の梵鐘や古文書が越前町に寄託され、同館の所蔵品の目玉となった。さらに学芸員が1人増の3人体制となったのを機に、入館者数増に向けて次々と改革を行った。

 16年には戦国時代をモチーフにした看板を玄関に設置した。織田に引っ掛けて「織田のお宝」「戦国オタ集合!!」と銘打ったキャッチコピーを入れ、学芸員の堀大介さん(46)が町ゆかりの織田信長や梵鐘のイラストを描いた。

 イラストはオリジナルののぼりや館内自動販売機、コインロッカーにも施した。故障中のロッカーには信長のイラストを貼り付け、ふきだしで「籠城中にて、使用できぬ」と言わせている。のぼりには「梵鐘は永遠に不滅です」などのユニークなキャッチコピーが書かれ、珍しがる来場者がスマートフォンで撮影することが増えた。

 ほかにも歴史漫画を約1700冊そろえたイベントや、正月三が日に越前がにが当たるクイズを行うなどの企画を次々展開した。入館者数は15年に6117人に伸び、17年と18年は9600人を超えた。初の1万人台も視野に入ってきた。

 堀さんは「町民を含め、町内全体で学芸員への理解が深いのがありがたい。調査研究に加え、魅力アップにつながる活動ができている」と感謝している。

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