第101回全国高校野球選手権福井大会決勝・丹生―敦賀気比 力投した丹生先発の玉村昇悟=7月25日、福井県福井市の福井県営球場

 【全国高校野球選手権福井大会・決勝 敦賀気比3―0丹生

 苦しいときこそ、上を向いて笑顔で―。強豪を次々と破り、初の決勝に挑んだ丹生。玉村昇悟はエースとして、主将として、チームで掲げた目標を体現し続けた。強打の敦賀気比に攻めの投球を貫き、大会通算52奪三振の新記録を打ち立てた左腕に涙はなかった。

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 三回、四球から招いた1死満塁のピンチ。「失投を見逃してくれなかった」と長打と犠飛で3点を奪われたが、笑顔は絶やさなかった。「楽しんでここまで来られた。ベストの投球をしよう」。仲間の反撃を信じ、以降は変化球を低めに集め追加点を許さなかった。10奪三振の快投で、2009年の敦賀気比・山田修義投手(現オリックス)の大会通算記録「49」を塗り替えた。

 丹生ナインのほとんどが、学童野球時代にも地区選抜メンバーとしてともに戦った仲間たち。捕手の倉谷勇人は言う。「全員が仲良くチームは明るい。だからこそ、絶対的なエースに頼り切ってはいけない。何が何でも点を取るための打撃と走塁を磨いてきた」。粘り強い打撃がエースを支え、快進撃につなげてきた。この日2安打を放った武藤勇次も「力を出し切れた、悔いはない」と胸を張った。

 プロ野球で活躍するという夢へ、卒業後の進路を今後、じっくり考えたいという玉村。仲間たちと戦い抜いた5試合を笑顔で締めくくった。「楽しかった。最高の夏でした」

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