光を放ちながら飛び交うホタル=6月、福井県福井市の社西小学校のビオトープ

 福井県福井市の社西小学校のビオトープに今夏、大量のホタルが出現し、乱舞する様子が見られた。「ホタルの飛び交う町」を目指し、社西地区を流れる狐川の環境美化やビオトープ造成とホタルの幼虫の飼育・放流など15年余りの活動が結実した。来年春には同市で「全国『みどりの愛護』のつどい」が開かれることもあり、活動に汗を流す住民は「狐川でもこのような光景が見られるようさらに活動に力を入れたい」とますます意気込んでいる。

 社西地区ではかつて、狐川などあちこちでホタルを見ることができた。しかし、狐川の水質悪化で一度は壊滅状態に。工場排水などの規制強化などで水質が改善し、2000年代に入りゲンジボタルの幼虫が好んで食べる貝「カワニナ」が生息するまでになった。こうした変化に住民有志が着眼し「ホタル社西の会」を結成した。

 同会は、社西公民館でゲンジボタルの実験飼育を行い、02年に児童や住民らと協力し社西小にホタルビオトープを造成。ビオトープの水を狐川に流す小川もつくった。翌03年から毎年、ビオトープに放ったホタルの幼虫の数と実際に飛んだ数を記録している。

 徐々に数は増えたが乱舞にはほど遠いもの。そこで17年、水中に石を敷いた。同会の山下征夫会長(74)は「石を置いたことで土砂の流出がなくなり、石が幼虫の絶好の隠れ家にもなった」。17年目の今年は一気に138匹に増えた。

 毎年見に行くという同校6年の男子児童は「今年は60匹くらいが一気に飛んでいた。一面が星空みたいだった」と目を輝かせ、同校の岡田弘明PTA会長(46)も「こんなに飛んでいるのは初めて」と驚いた。毎年通っているという地区の女性(76)も「子どもの頃に見た景色」と懐かしんだ。

 山下会長は「来年春には、みどりの愛護のつどいもある。次は狐川で乱舞を見られるようにする」と意気込む。現在、ホタルの幼虫がすむ狐川の小川の改良を検討している。

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