「柏樹関」の外観。玄関棟(右)と宿泊棟(左奥)で構成する

 福井県永平寺町志比の大本山永平寺が近くの旧参道沿いで整備を進めてきた宿泊施設「柏樹関(はくじゅかん)」が完成し7月23日、竣工(しゅんこう)式と内覧会が行われた。永平寺敷地内から切り出された杉を使った館内は落ち着いた雰囲気で、座禅体験などができる多目的室を設けたほか、専門スタッフ「禅コンシェルジュ」が常駐するのが特徴。26日に開業する。

⇒【写真8枚】柏樹関の内覧会(D刊)

 県、永平寺町、大本山永平寺が連携して進める門前再構築プロジェクトの一環。木造平屋建ての玄関棟と鉄筋コンクリート造り3階建ての宿泊棟で構成した。延べ床面積は1977平方メートル。大本山永平寺前にあった石柱が新たな玄関口としてそばに移された。

 宿坊と旅館の中間の位置づけ。永平寺で座禅などの研修を受け、認定された禅コンシェルジュが男女6人おり、座禅体験のサポートや館内、永平寺での案内を担当する。

 竣工式には約130人が出席した。大本山永平寺の小林昌道監院は「大勢の皆さまがここに来て道元禅師の教えに触れてほしい」とあいさつ。藤田穣副知事、河合永充町長は国内外からの観光客増加に期待を込めた。運営する藤田観光(本社東京)の伊勢宜弘(よしひろ)社長らがテープカットして完成を祝った。

 客室は和洋室(約40平方メートル)18室があり、最大72人が収容可能。越前和紙の壁紙、館内で着る作務衣(さむえ)など県産品がふんだんに使われている。寺監修の精進料理などを提供する食堂や座禅、写経を体験できる多目的室、露天風呂付きの大浴場などを備える。

 1泊2食付き1万8千円(税別、1室2人利用時の1人料金)から。既に予約を受け付け、現段階で年内は約1500人が予約している。

 伊勢社長は取材に対し、体験型観光を重視し、中国を中心にインバウンド増加に強い意欲を示した。禅コンシェルジュを務める柏樹関の志賀敏男総支配人は「(大本山永平寺や禅の)正しい知識を身に付けたスタッフが、お客さまと永平寺をつなぐ役割や案内などのサービスを心掛けたい」と話していた。

 

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