【ゆるパブ・オフ会】区費5万円超も、自治会ルール様々

  福井について、公募で集まった人たちが語り合うトークイベント「ゆるパブコラム・オフ会」が6月17日、福井県鯖江市内で開かれた。今回のテーマは「福井の自治会(町内会)、子ども会、消防団」だ。自治会長の人選や、「元村組」と「新興住宅組」の関係など自治会を巡る問題はさまざま。自治会長経験者から高校生まで約10人が慶応大学特任准教授の若新雄純さん(若狭町出身)とともに語り合い、いろんな角度から切り込んだ。

 自治会とは一定区域に住所の人たちが住民自治や親睦を図るためにつくる地縁団体。地域によっては町内会、区会と呼ばれることもある。活動は多岐にわたるが、区内の神社の草刈りや祭りなど皆さんも経験したことがあるかもしれない。地域の団体としてはこのほか、子どもの健全育成を目的とした「子ども会」、若者や中高年でつくる青壮年会などがある。

 ■自治会長は名誉?

 イベントの参加者の中には自治会長経験のある50代男性(福井市)と現役副会長の50代男性(鯖江市)がいた。若新さんは「自治会長になることは名誉。集落の名士が就くもの」と持ち上げたが、2人の話を聞くと必ずしもそうではないようだ。現役副会長の男性の地域は会長、副会長を選挙で決めるといい、「古くからの庄屋さんの家、大きな商売をしている家、公務員を退職した人の家とかがなることが多い」と話す。その一方で福井市の会長経験者の男性は「うちの区は班(区内のさらに細かい区分け)ごとに輪番で回ってくる。引っ越してきたばかりの頃だったが、同じ班はお年寄りばかりで引き受けることになった」という。

 地域のリーダーなのだから名誉なことかもしれないが負担も重い。行政から仕事が降りてくるのに加え、住民の要望を行政に伝える役割も果たす。「側溝に猫の死骸があるから何とかしてくれという要望もあった」と福井市の経験者男性。区内にある街灯の維持管理も自治会の仕事で、修理の際に市役所に補助金を請求したり「面倒くさいことがいっぱいある」としみじみ語った。

 また、鯖江市の現役副会長の男性は、自治会に入っていない住民に回覧板を回さないことやごみステーションを使えないことを説明する役割もあるといい、参加者から「大変な仕事ですね…」と同情の声が漏れた。自治会長をすると手当てをもらえるからそれくらいのことは仕方がないという声もある。しかし、福井市の男性は「時給に換算したら200円ぐらい」と説明した。

 ■自治会費と余剰金

 自治会費は地域によってさまざまだ。福井市はおおむね1万2000円前後が相場のようだが、鯖江市では自治意識の高さの表れか、5万円を超える自治会もある。現役副会長の鯖江市の男性によると、高い自治会費のためか余剰金が数百万円に上るところもあるらしい。男性の地域では出産、結婚、米寿、自宅の新築などの際にその世帯が気持ちで一定額を自治会に納める「基本財産」という制度があり、それが多く貯まっているという。

 一方で自治会長経験者の福井市の男性が住む地域は9000円。以前は相場通り1万2000円だったが、「余剰金が出るとけんかになってしまう」との理由で余剰金が10万円貯まったら住民に返還していた。そのため、住民から自治会費を下げる提案がなされ、今の額に収まったという。

 多すぎる余剰金は横領の危険を生むが、問題は他にもある。人口減少で自治会の合併が必要となる場合があるが、その壁となるのが余剰金だ。福井市の男性はこう説明する。「片方の自治会が600万円、もう片方が60万円しか持っていないとすると、合併の際に財産を合わせることができない。両方とも0円だといいんだけど」。余剰金を一つの財布にしてしまうと、2つの区の間に不公平感が生じるというわけだ。それは市町村合併の縮図のようなものだ。

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【ゆるパブコラム】福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。ゆるパブメンバーを中心に執筆中。

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