【越山若水】梅雨のすっきりしない天気のもと、参院選の投開票が行われた。事前の予想通り、自民、公明両党は改選過半数を確保した。ただし投票率は50%前後と低く選挙結果の正当性には、もやもや感が残った▼憲法改正が焦点とされたが、有権者の関心は必ずしも高くなかった。消費税増税の是非や年金問題など「持続可能な社会」への対応が問われた選挙だった。共同通信の有権者アンケートでは、現在の年金制度で老後が「不安だ」と回答した人は8割にのぼった▼不安の背後には人口減少、少子高齢化、財政難の進展がある。総務省が発表した人口動態調査によると今年1月1日時点の国内の日本人は前年より約43万人減り、過去最大の減少幅となった。人口が減る中、東京一極集中は今も進んでいる▼京都大と日立製作所が設立した「日立京大ラボ」は、人工知能(AI)を活用して2050年に向けた日本の未来を予測した。都市集中型より地方分散型の方が出生率が持ち直し格差は縮小、幸福度も高まるとの分析結果が得られた。その分岐点は今後6~8年の政策で決まるという▼参院選の福井選挙区で当選した滝波宏文氏は「地方の成長なくして我が国の成長なし」と訴えてきた。その政策は、人口減でも豊かな福井県の実現につながるのか、新しい国づくりのモデルとなり得るのか、後戻りできない分岐点が待ち受ける。

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