1年前に転職したところ、勤務時間が不規則になり、残業などで夜に仕事をすることが増えました。転職前はきちんと28日周期で生理がきていたのですが、ここ半年ほど不規則で、生理のない月もあります。生理前のイライラや不安感もひどくなり、憂鬱(ゆううつ)です。対処法はありますか。(福井県福井市、30代女性)

【お答えします】小林寛人・福井県立病院産科婦人科医長

 ■ストレスに起因した月経前症候群

 女性の卵巣はストレスにさらされると働きが低下しますが、今回の原因は仕事に関するストレスから発症した月経前緊張症候群(PMS)と考えられます。

 PMSとは月経前3~10日の間に頭痛、肩こり、手足のむくみ、乳房の張り、便秘や下痢などの身体症状に加え、イライラ感や気分の落ち込みなどの精神症状が出現し、月経開始とともに消失ないし軽快するものをいいます。

 原因ははっきりとは分かっていませんが、月経前にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが原因と考えられています。

 ■アルコールや喫煙は控え低用量ピル、漢方薬などで治療

 対処方としては、薬によらない治療と薬による治療があります。

 薬によらない治療法は、ストレスをためることがきっかけになるため、仕事量を減らしたりストレスを発散するような趣味を持ったりすることがいいでしょう。また、過度のカフェイン、アルコール、喫煙は控えた方がよいと言われています。

 薬による治療は、排卵を抑える治療法、症状に対する治療法、漢方の三つが挙げられます。女性ホルモンは排卵を起こすために月経周期の中で大きく変動するのですが、それがPMSの原因であると考えられるため、排卵を抑制するような低用量ピルを使用します。これは女性ホルモンの変動を抑え、症状を緩和させる狙いがあります。

 症状に対する治療法としては、痛みに対しては鎮痛剤、むくみなどの水分貯留症状には利尿剤、精神神経症状や自律神経症状に対しては精神安定剤やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などで対応します。

 漢方は、症状はもちろんですが、その人の体質なども考慮した上で薬が処方されます。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などがよく処方されます。

 日常生活に支障が出るようなら、我慢せずに近くの産婦人科を受診してください。気心が知れたかかりつけ医をつくり、話を聞いてもらえるだけでも症状を緩和させることができるかもしれません。

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