国道8号の2車線化に伴う気比神宮交差点の縮小イメージ。敦賀まつりの山車や神輿の集結スペースの確保が困難などとして、まつり関係団体は計画改善を要望している(国交省福井河川国道事務所提供)

 福井県敦賀市中心部の国道8号の2車線化計画を巡り、気比神宮前の交差点が縮小される影響で、敦賀まつりの呼び物の山車と神輿(みこし)が同神宮前に集結してパフォーマンスする従来通りのやり方を維持できない懸念が生じている。まつり関係団体は市に対して「交差点改良や安全の観点は理解するが、市の一大イベントも大切に考えてほしい」と計画の改善を求めている。

 国土交通省は本年度、国道8号の元町交差点から白銀交差点まで約900メートル区間を4車線から2車線化する新規事業化を決め、9月中旬から着工する予定。交通安全事業の位置付けで、交差点をコンパクト化して交通事故を減らすのが狙い。これに合わせ、市は2車線化で創出される歩行空間を美装化する整備を進める。

 市によると、2車線化の計画で気比神宮交差点は、左折専用レーンや安全走行を誘導する白色の「ゼブラゾーン」などがなくなり、現在60メートル近くある交差点内の東西幅が約32メートルに縮小。横断歩道も現状に比べて内側に15メートルほど移し、「交差点内の面積は半分以下になり、その分、歩行空間が拡大する」(都市政策課)という。

 例年9月に開かれる敦賀まつりでは、気比神宮交差点内は“ホコ天”となり、大鳥居前にある左折レーンやゼブラゾーン周辺に、戦国絵巻を再現する山車6基が横一列に整列し、市街地を巡行する。神輿渡御でも大人神輿4基や担ぎ手が同じ場所に集結し、交差点内を威勢良い掛け声で一周して練り歩く。

 しかし国交省福井河川国道事務所が示した2車線化の図案では、従来の山車と神輿の集結場所が歩行空間となり、交差点の車道との間には縁石や防護柵が設置される計画。つるがの山車保存会やNPO法人つるがみこしの会によると、来年の敦賀まつり以降、縮小される交差点内で山車6基を横一列に並べるのが難しくなり、神輿も交差点内の一周は困難との見方だ。

 このため、山車保存会などは、計画にある大鳥居前の防護柵の一部を取り外し可能なものにし、歩行空間と車道の間に縁石を置かずに、まつり時の集結スペースを確保するよう市に改善を求めている。

 市都市政策課は「計画の交差点内で(まつりを)やってもらえないかと考えていたが、まつりの関係団体との思いがずれていた部分もある」と説明。現在、大鳥居の眺めを邪魔しないような信号機の位置の調整や、山車保存会などの要望について国交省、県警と協議中とした。

 山車保存会の木下章会長は「事業の意義は分かるが、まつりを維持させることも重要なので、市はきちんと整理してほしい」と要望。みこしの会の竹中善一会長も「現計画では将来、まつりを拡大することはできないので、もう少し考えてほしい」と話している。

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