若い女の子のダイエット事情に興味がある。かく言う私もかつては七夕の短冊に「やせたい」「45kgまでやせたい」とか「せめて47kg」とか散々書いたクチだ。ちなみに「中谷美紀になりたい」と「いいから早く我を深津絵里に」を一緒に短冊にしたためた年もある。混乱させてしまったのでしょうか、結果はご覧の通りです。

 閑話休題。そんな私が書店を徘徊していて目に留まったのが本書。雑誌『Popteen』の別冊として発行されているダイエット特集、今回はその第7弾となる。

 正しいダイエットの基本の説明から始まり、部位別のエクササイズ、代謝の上げ方、糖質OFFレシピ、ジムのレポート……。概ねよくあるダイエット本の内容だ。

 その中で異彩を放っている特集がいくつかある。ひとつは「最新 モデルのサイズ表」のコーナー。「Popteen」特有の企画ではない、他の雑誌でも見かけたことがある企画なのだが、モデルたちの身体のサイズ感を一挙公開しているのだ。バスト、ウエスト、ヒップに始まり、身長体重体脂肪率から顔の縦横幅に眉間の長さに下唇の厚さまで、スリーどころか実にサーティースリーサイズが掲載されている。14人のモデルが紹介されているので、14×33=462もの数値が載っているのだ。い……いるーーーー?まつげの長さとか、いるーーーーー!?

 サイズの数値にとどまらず、モデルたちの情報がやたらと多いのも印象的だ。何時になに食べただの、1日何歩歩いたかだの、摂取カロリーなんぼだの、水分なんぼとっただの。こんなの参考になるのかな。だって、1日の摂取カロリー700kcalという子もいるし、睡眠時間だって3〜4時間って子も何人かいる。

 なんだろう、この徹底した情報公開。と思っていたら、ひとつの特集に目が止まった。10kg太ってしまったモデルの女の子がダイエットに成功して返り咲いた経緯をサクセスストーリーとして紹介しているのだ。

 そこで気づいた。そうか、みんな限りなくモデルの女の子に近づきたいのか。で、サクセスストーリー歩みたいのか。だから目の幅とか首の長さとか、事細かに掲載していたのか。今はインスタグラマーだのTikTokがなんだの、あるもんね。SNSで有名になる可能性全員が持っている現代だから、盛らなくても、加工しなくてもかわいい、周りから頭一つ出た存在になりたいのかもしれない。

 誰もが発信者側になれる現代、ダイエットのモチベーションも変わってきているのかな、と感じた一冊。でも、他者からの評価っていう、自分じゃどうにもならないものを目的に設定するのって、どうなんだろう。「痩せたら人気者になれる」っていうのは、ちょっと危険な考え方じゃないかな。

 ……と思いながら巻末まで読んでいったら、ジャーン!最後にこんな特集が。「ポーズで! メイクで! ヘアで! ファッションで! どうしてもヤセられなかったときのごまかしテク」。ズコーーーーー!!!まじか、なんだ、どこ行ったこれまでの本気。「All100均コスメで-3kgメイク!!」とか、もう!バカか!三歩歩いて忘れたのか!!でも、このたくましさ、すっごくいいなー。清々しい。危険思考とか言ってた自分がバカみたいじゃないか。私の本気返せ。

(角川春樹事務所 800円+税)=アリー・マントワネット

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