巨大な地図に被害を示すボードを置き、旧美山町の住民らが福井豪雨を振り返った防災ワークショップ=7月15日、福井県の福井市木ごころ文化ホール

 福井県嶺北地方を局地的な大雨が襲った2004年7月18日の福井豪雨から15年となるのに合わせ福井新聞社は7月15日、福井市木ごころ文化ホールで防災ワークショップを開いた。大きな被害が出た旧美山町(現福井市)の住民や当時の町幹部らが当日の状況や体験を振り返り、近年全国的に多発する自然災害への備えを考えた。

 福井豪雨では、旧美山町内を流れる足羽川などが氾濫。あふれた水や濁流が道路を削り取り、谷川からの土石流が集落をのみ込んだ。旧町内では1人が亡くなり、1人が行方不明に。住宅は全壊35軒、半壊36軒で、県内全体の被害の3分の1以上が集中した。

 被災した住民らを中心に11人が“証言者”として参加。NPO法人まちの防災研究会(敦賀市)の松森和人理事長が司会を務めた。縦約11メートル、横約12メートルの巨大な地図を用意し、住宅の損壊や浸水、堤防決壊、土砂崩れなど被害を示すボードを発生時間ごとに置いていくと、足羽川沿いや山あいの被害の大きさが改めて浮き彫りに。参加者は各地域で見聞きしたことや避難状況を報告した。

 当時の美山町長、有塚達郎さん(84)は「15年前、行政では行き届かなかったところを住民の皆さんに助けてもらった」と感謝。住民同士が仲良くなること、良いリーダーをつくることが災害時の備えになると訴えた。美山中学校3年生だった30代男性は「自分が体験したことを、娘が大きくなったら伝えて、避難するよう教えたい」と話していた。

関連記事