敦賀―博多間航路を結ぶ「とかち」=7月6日、福井県敦賀市金ケ崎岸壁

 7月13日に開港120周年を迎えた敦賀港(福井県敦賀市)に4月、日本海側で本州と九州を結ぶ唯一の航路、敦賀-博多(福岡県)間の定期貨物船が就航した。船はトレーラーを運転したまま乗降できる貨物船(RORO船)。積み荷は順調に増え、7月に従来の倍となる週6便となり、デイリー化を果たした。新航路により、トラックドライバー不足の解消などに効果的な大量輸送への転換である“モーダルシフト”の促進や、災害時輸送の複軸化などが期待されている。重要度を増す敦賀港の今後の可能性と、新航路の意義を探るため、RORO船に同乗した。

 ■トレーラー続々

 6日午後6時ごろ、敦賀市金ケ崎岸壁に着岸した「とかち」(全長約168メートル、総トン数9858トン)から次々と、荷台(シャシー)を引いたトレーラーが出てきた。7月に敦賀-博多航路に就航したばかりの同船は、128台のシャシーが積載可能で、4月に就航した「なのつ」と交互に週3回、敦賀港に入港している。

 貨物部はA~Eデッキの5層に分かれており、陸からの荷物の乗降は真ん中のCデッキで行われる。トレーラーのヘッド部分が船内に入っていくと、エレベーターを使ってシャシーを連結し、すぐに出発していった。

 運航する近海郵船(東京)の敦賀営業所の所長は「北陸の運送会社の反応が大きく、中京圏の企業からもデイリー化の要望があった」と語る。現在の北陸-九州間の輸送はトラックで直接陸送するか、大阪から瀬戸内海航路を使うルートが主流だ。ただ走行距離の長さやドライバー不足が、運送会社の負担となっているのが現状という。

 ■簡単でない操船

 午後9時50分、「とかち」操舵(そうだ)室内で船長が「出港50分」と声を上げると、船は金ケ崎岸壁をゆっくりと離れた。外の視界を確保するため、室内は真っ暗。レーダーと船員の肉眼が頼りだ。敦賀湾に浮かぶ数十隻の漁船や漁具をかわしながら博多港に向けて進み始めた。

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