弁当の食中毒対策

 気温と湿度が上がる夏場にかけて食中毒のリスクも高まり、調理から食べるまで時間がある弁当は要注意だ。防ぐ基本は原因菌を「付けない、増やさない、やっつける」。菌を付けないために「手洗い」、減らすために「洗浄と加熱」、増やさないためには「温度と水分」に気を付けたい。福井県内の専門家にポイントを聞いた。

 県医薬食品・衛生課によると県内で確認された食中毒は2016年が5件、2017年は10件、18年は6件、今年は6月末現在で7件。同課主任の岡本一剛さんは「細菌にとって夏場は絶好の環境。統計に表れるのは飲食店が中心だが、家庭でも食中毒が起き得ると考えて」と注意を促す。

 腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌といった細菌が増殖する要素「栄養・温度・水分」のうち、家庭では特に「温度(加熱・保冷)」と「水分(乾燥)」に気を付ける必要があるという。

 まず肉や野菜、卵などの食材は中までじっくり加熱する。腸管出血性大腸菌O157を例にすると、75度で1分間加熱すれば死滅する。管理栄養士で県栄養士会理事の内田まり子さんは「ちくわ、ハム、かまぼこといった加工品もなるべく加熱を。例えば、ちくわは炒めてきんぴら風すると使いやすい」と助言する。

 注意が必要なのは家庭で調理して冷凍した食品の解凍。岡本さんは「細菌の増殖が進む恐れがあるので、室温ではなく、冷蔵庫の中か電子レンジで解凍を」と話す。容器に保冷剤を付け、さらに保冷バッグに入れると温度の上昇を防ぎやすい。

 「水分」の観点では汁気のあるおかずは避け、小分け用カップなどで他の食材に汁が回らないようにする。煮物は片栗粉でとろみを付けると汁が移りにくくなる。「生野菜はお勧めしないが、使う場合はキッチンペーパーで水気をしっかり取る。仕切り代わりにレタスなどを使わないで」と内田さん。マヨネーズなどのドレッシングは、別添えにして食べる直前にかける。ふたに水滴が付くのを防ぐため、おかずやご飯を詰めた後は十分冷ます。

 容器の洗浄も大切だ。食器用洗剤で汚れを落とし、しっかり乾燥。隅に汚れや水分が残っていると菌が増殖する温床になる。内田さんは「パッキン部分も外して洗い、よく乾かして」と話す。

 おにぎりは素手で握らずラップで包み、トマトは細菌を除去するため「へた」を取るのも基本。岡本さんは「前日の夕食の残りや、一度解凍して再冷凍した食材も弁当には使わない方がいい」とアドバイス。内田さんは「前日に下準備をしておき、詰める直前に最終調理を」と話す。両者とも「作る側も食べる側も必ず手洗いを」と呼び掛ける。

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