【論説】サッカー北信越リーグ1部の福井ユナイテッドFCが、活動を開始して間もなく半年となる。前身のサウルコス福井の解散の危機から、県内有志が立ち上がり株式会社を設立。まずは出資者の募集に力を入れてきた。経営の安定化へ、今後は個人・法人会員の獲得が本格化する。

 リーグ戦は折り返して、後半戦に突入。7日の試合も快勝し、引き分けを挟んで開幕7連勝中と好調だ。昨季は得点力の高い選手がいたが今季はチーム力を発揮。サイドの崩しやクロスの精度が高まり、前半終了時の総得点39点は昨季同期より7点多い。

 サウルコス時代と同様、北信越リーグではトップを争う強豪。地元チームの活躍はファンにとっても心沸き立つものと思えるが、ホームでの観客数は伸び悩んでいる。開幕戦で約670人が入って以降は多くて500人を超える程度。サウルコスのころより少ない。

 一方、事業収入の軸と位置づける個人・法人会員の数をみると、個人はサウルコスの約150人から約240人に増えたが、まだまだ十分な数とはいえない。法人は15社ほどで、サウルコス時代の60~80社に届いていない。

 これは設立以降、出資者の募集の方に力を注いできたためだ。出資の募集は7月末まで行っており、会員の募集については、人員が限られ、広報活動に手が回らなかったのが現状という。また北信越では「勝つのが当たり前」という強さが、逆に観戦意欲を低下させているとの見方もある。

 同社では、出資者募集が一段落する8月以降、会員、観客数の増加に本格的に取り組む方針で、今後の展開に期待したい。J1のジュビロ磐田を招いた試合の開催など、盛り上げるための仕掛けも用意している。サッカーゲームのeスポーツチームを発足させたり、電動車いすサッカーチームを設立したりする計画もある。本業以外に手を広げることで、知名度と関心を高める狙いだ。

 ただ、ファンを増やすにはやはり「強さ」がなによりだ。サウルコス時代の2014、15年、全国地域リーグ決勝大会の決勝ラウンドに駒を進めたころに、観客が一気に増えている。日本フットボールリーグ昇格はならなかったが、それまでにない盛り上がりを見せたという。

 株式会社を設立して1年目ということで、まだまだこれからが正念場だ。県民に夢を与えるチームへと成長してもらえるよう、イレブンと社員の健闘に期待したい。

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