福井県教委は今年2月、教員の長時間勤務が常態化している現状を踏まえ「学校業務改善方針」と「部活動の在り方に関する方針」を定め、全県的な働き方改革に乗り出した。長時間過重労働で自殺した新任教諭の訴訟で控訴しない方針が示されたことを受け、県教委幹部の一人は「判決を真摯(しんし)に受け止め、しっかり進めていかなければいけない」とするが、行事や業務の削減は容易ではなく、改革を実行する難しさも口にする。

 自殺した新任教諭の嶋田友生さんの時間外勤務は、最大で月169時間に上るとされている。長時間勤務により精神疾患を患ったことと自殺に因果関係があるとして、2016年9月に公務災害に認定され、教育現場の多忙さが浮き彫りとなった。

 県教委は同年から、教員に代わって事務作業を担う「学校運営支援員」を配置するなど負担軽減を本格化。部活動の指導や引率を担える「部活動指導員」の導入など他の策も講じ、国が過労死ラインとする月80時間以上の残業をする教員を本年度から3年間でゼロにする目標を掲げている。

 しかし県教委が18年9月に行った調査では、中高教員の4人に1人が月80時間を超えていた。ある女性教諭は「早く帰れと言われても、仕事量はそのまま。抜本的な改善にはなっていない。『効率的に』とも言われるが、既にできることはやっている」。原告の代理人弁護士は判決後の会見で「結局、学校の先生の数を増やして業務を減らさないとだめ。現場はみんなそう思っている」と指摘した。

 県教委幹部の一人は教員や保護者、地域、教育委員会の意識をそろえて改革に取り組む必要性を訴える。担当者は「『難しい』では済まされない。二度と繰り返さないためにも着実に進めていくしかない」と話した。

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