AIのシミュレーションが描き出した未来の福井の社会像が示されたワークショップ=7月6日、福井県福井市田原1丁目のオレンジホームケアクリニック

 福井の暮らしで幸せの実感を高めるための行動を探る福井新聞と日立京大ラボの共同研究プロジェクト「ふくい×AI 未来の幸せアクションリサーチ」は7月6日、第2回ワークショップを福井市内で開いた。県民アンケートで得られた幸せの指標に基づきAI(人工知能)でシミュレーションした結果、2050年の福井の社会像は6グループに分かれた。参加者はそれぞれの社会像について、指標の増減から特徴を考察した。

 プロジェクトでは、福井に暮らす幸せについて400人から約千項目の回答が寄せられ、第1回ワークショップで幸せを構成する指標を抽出した。その後、「家族との食事」「助け合える関係性」「福井愛」「仕事の充実」といった主観的指標を中心に、「交流・関係人口」「観光客数」「県内就職率」など客観的指標を交えた149項目に集約した。

 日立京大ラボは、指標同士の関係性を設定した構造式を基にAIのシミュレーションを繰り返し、2万通りの未来の社会像を列挙。2050年時点における各指標の増減の特徴から、社会像は大きく6グループに分けられた。福井市のオレンジホームケアクリニックで開かれた第2回ワークショップには、まちづくりや農業、医療、建築、アート、行政など各分野で活動する県内の有志約30人が参加し、6グループの特徴を分析した。

 グループ1は、「愛情を感じる」「世代間の交流」「人生の深み」「福井愛」など各指標が全般的に高まり、県民アンケートで挙がった幸せが最も満たされる社会像と位置付けられた。「収入」の増加に連動し、「労働時間」の上昇度が最も大きかった。

 グループ2は「友人とのコミュニケーション」「地域コミュニティーの維持」「異文化への理解」と人とのつながりに関する指標の低下が目立った。グループ3は、「福井愛」「世代間の交流」など地域に根差した指標が増加した一方で、「多様な生き方への寛容」が低下した。

 グループ4は「刺激・興奮」は満たされるが、「健康寿命」は低下。グループ5は「地域ブランド」「観光客数」「交流・関係人口」など地域外とのつながりをイメージする指標が伸びた。グループ6は、学びや文化に関する指標が下がる一方で、「健康寿命」が最も高まるという特徴が表れた。

 プロジェクトは、福井新聞創刊120周年記念の取り組みの一環。今後は、それぞれの社会像を導くために特に有効な指標に着目し、幸せの実感を高めるための行動を考える。

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