拉致問題の早期解決を訴えた地村保志さん=7月7日、福井県小浜市働く婦人の家

 北朝鮮による拉致被害者、地村保志さん(64)=福井県小浜市=の講演会が7月7日、同市働く婦人の家で開かれた。41年前に拉致された時の状況を写真を使って詳細に説明し、北朝鮮での生活についても語った。安倍晋三首相が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と無条件で首脳会談に応じる意向を示したことに触れ「拉致被害者が生きている間に、解決に向けた話を進めてほしい」と強く訴えた。

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 地村さんは1978年7月7日夜、当時婚約していた妻の富貴恵さん(64)とともに小浜市の小浜公園展望台で拉致された。地村さんは公園周辺の航空写真や展望台の写真を指さしながら、当時の状況を時系列で説明した。

 拉致の背景、意図については「朝鮮半島の統一が目的で、そのための情報活動が必要だったから」。自身が拉致されたのは▽工作員が自分になりすまして海外で工作活動をする▽工作員に日本語や日本文化などを教育させる▽工作員にする-の3点が理由として挙げられるとした。

 帰国からも既に17年がたとうとしており、「今、解決しないと、拉致被害者というものがいなくなってしまう。10年後には北朝鮮で『そういった人(拉致被害者)はいたけど、残念ながら亡くなって遺骨もありません』という話になってしまうかもしれない。(首相らは)拉致被害者が生きている間に解決への話を進めてほしい」と語気を強めた。

 地村さんは、昨年度に市内の全小中学校で講座を開くなど、拉致問題についての啓発活動を続けている。「子どもたちにまだ拉致問題は終わっていない、解決していないと認識してもらうためだ」と思いを語り、風化させてはならないと改めて訴えていた。

 講演会は「小さな親切」運動小浜支部が主催し、約50人が聴講した。

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