大学入学共通テストに参加予定の英語の民間検定試験

 英語検定試験「TOEIC」を運営する国際ビジネスコミュニケーション協会は7月2日、大学入試センター試験の後継となる大学入学共通テストへのTOEICの参加を取り下げると発表した。「責任を持って対応を進めることが困難と判断した」としている。大学のほか、受験生を抱える高校や予備校などは共通テストへの対応を急ピッチで進めており、影響がありそうだ。

 柴山昌彦文部科学相は閣議後の記者会見で「受験生が不利益を被ることがないよう、大学入試センターと協力して、高校や大学に周知したい。TOEIC受験を目指した人は、残念だと思う」と述べた上で、取り下げはやむを得ないとの考えを示した。

 2020年度から始まる共通テストの英語には民間検定試験が導入される予定で、TOEICや「英検」など計8種類が参加要件を満たし、同協会を含む運営計7団体が20年4月からの実施に向けて準備していた。

 同協会は取り下げ理由を「実施運営などの処理が当初想定していたよりかなり複雑なものと判明した」と説明している。

 TOEICは「聞く」「読む」の力を測る「TOEIC L&R」と「話す」「書く」を測る「TOEIC S&W」からなり、それぞれ別の日程で申し込み受付や試験日を設けている。

 共通テストでは双方の成績提供が求められ、同協会の担当者は「センターから両試験の実施日を近くするよう要請を受けたが、対応が難しかった」と述べた。

 センターは「残る6団体とは7月中に実施に向けた協定書を結ぶ予定」とし、ほかに参加取り下げの動きはないとしている。

 ■大手予備校に驚き

 文科省が全国の高校を対象に昨年実施したアンケートでは、20年度に3年生として民間検定試験を受ける見通しの生徒の約2%がTOEICの受験を予定していたという。

 大学入学共通テストへのTOEICの参加取り下げを巡り、大手予備校からは驚きの反応が出る一方、影響は限定的だと冷静に受け止める声も聞かれた。

 「大変驚いている」と話すのは、代々木ゼミナール教育総合研究所の佐藤雄太郎所長。受験生の民間検定試験への個別対応はこれから本格化させるところといい、「具体的な影響については測りかねるが、(不参加の)表明の時期が受験が近づく秋口などでなかったことは良かったかもしれない」とする。

 大手予備校「河合塾」を運営する河合塾グループの広報担当者も「びっくりした」と驚きを隠さない。「まだ正確な情報を把握できていない。どう対応するかはわからないが、影響は一定程度あるだろう」と困惑した様子。

 駿台予備学校を運営する駿河台学園広報部の担当者は「TOEICに特化して授業しているわけではないので、影響は限定的なものにとどまるのでは」と話した。

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