G20サミットの夕食会を楽しむ(左から)トランプ米大統領、安倍首相、ロシアのプーチン大統領=6月28日夜、大阪迎賓館

 6月29日に閉幕したG20大阪サミットの夕食会で、日本の美食文化を代表する素材として、昆布加工販売の奥井海生堂(福井県敦賀市)の「蔵囲利尻昆布」、越前打刃物製造の高村刃物製作所(福井県越前市)のステーキナイフが採用され、各国首脳がその味わいと使い心地を堪能した。両社が加盟する福井ガストロノミー協会の奥井隆会長(奥井海生堂社長)は「福井の食はもっと世界に知られるべき。地元で食に携わる人の励みになればうれしい」と話している。

 夕食会は初日の28日夜、大阪市の大阪迎賓館で開かれ、議長国の安倍晋三首相をはじめ、トランプ米大統領、ロシアのプーチン大統領らが出席した。世界的に高く評価されているレストラン「NARISAWA」(東京)の成澤由浩シェフがメニューを担当した。

 テーマは「持続可能性と美食の融合」。関西や東北の食材が集められた中、県産2品は成澤さんが直々に「日本の美食に欠かせないもの」として採用を決めたという。

 蔵囲利尻昆布は、上質な天然利尻昆布を蔵の中で時間を掛けて寝かせており、熟成されたうまみが特徴。京都の一流料亭だけでなく、世界のトップシェフに愛用されている。夕食会ではステーキのソースや野菜の煮物などさまざまな料理のだしに使用された。

 高村刃物製作所のステーキナイフは、同社の高い技術に着目した成澤シェフの依頼で2011年に開発。切れ味を非常に鋭くしてあり、肉汁を極力こぼさずに食べられる。当日は但馬牛のステーキなど肉料理全般で使われた。高村光一社長は「福井の人に越前打刃物の良さを感じてもらい、自慢してもらえるためのきっかけになってほしい」としている。

 福井の美食文化を発信している同協会の奥井会長は「和食が世界に注目される中で、もっと福井は世界に出ていくべきだと思ってきたので、ありがたい」と語った。23年春の北陸新幹線敦賀開業を見据え、「ガストロノミーツーリズムは世界的にブーム。4年後は食の魅力で越前若狭にインバウンドを呼べるといい」と期待を込めた。

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