【越山若水】西日本豪雨の降り始めは、1年前のきょうだった。台風が動き回り、梅雨前線が居座った。それと似た気象が今、列島を警戒させている。きのうは、太平洋側を進んだ熱帯低気圧が夕方、台風3号に変わった。令和で初の台風である▼大雨の予報が呼び水にでもなったか、「災害と地名」がネットで話題となっていた。「波」「沼」などがつく地名は水害と関わりがある、「蛇抜け」は鉄砲水の意味、内陸にありながら「○○島」と呼ばれるのは過去に洪水で一面漬かった土地…といった具合である▼それで筆者もきのう朝、出勤前に近所のお不動さんを訪ねた。石造りのご本尊はどこかから流れ着いたものと薄く覚えていたので縁起を確かめたかった。はたして「明治のはじめ、日野川上流の堤防が決壊」した折に「小川某が水中より拾い上げ」祭ったものだった▼わが家一帯も大雨の時は油断ならない土地、ということがこれで分かる。そういえば、九頭竜川の名も「崩れ川」に由来する、との説がある。ネットの人々は「地名や伝承には、災害の記憶が残っている」「昔の人からの贈り物」と語り合う。まさにその通りと思う▼台風の行き先を示す「予報円」が従来より小さくなっている。プログラム改良とスーパーコンピューターのおかげで、被害地域が絞り込める。先進技術と先人の知恵。防災に駆使したい両輪である。

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