豊島繊維の工場群と火災時の遺体発見場所

 福井県永平寺町松岡石舟の織物製造「豊島繊維」の工場で4人の遺体が見つかり、従業員4人が負傷した火災で6月25日、同社の豊島雅之社長と水口孝信常務が同社敷地内で報道陣の取材に応じた。豊島社長は「工場棟を結ぶ通路にあるビニール製のシートシャッターが停電で開かなかった」と述べ、避難の妨げになった可能性があるとの認識を示した。出火原因については「原因を究明している最中であり、コメントは差し控える」と述べるにとどめた。

⇒火災は6月20日午後発生

 火災後、豊島社長が報道陣の取材に応じたのは初めて。

 全焼した第1~第3工場はいずれも平屋建てで敷地北側に立ち並び、2人によると第1に約80台、第2に約85台、第3に約20台の織機がある。

 第1と第2、第2と第3はともに建物の両端と中央にある3本の通路で結ばれ、屋外への出入り口は第1、第3に設けられ、第2にはない。

 外気遮断用のシートシャッターが設置されているのは第2と第3を結ぶ三つの通路で、いずれも人が近づくとセンサーで自動開閉する。

 水口常務は火災発生直後のシャッターの状態について「一部は閉じたままの状態だった」とし、豊島社長は「故障はしていなかったが、おそらく停電で動かなかった」との認識を示した。シャッターが開閉しなかった場合、タイプによりシートをくぐるか、破る必要があるという。このことについて水口常務は「社内メールやミーティングで説明していたつもりだった」と話した。

 出火当時、第1の北側で外壁工事に伴う溶接が行われていたという。水口常務は「火花が燃え移ったのか、燃えやすい物が近くにあったのかは分からない」とした。また、3棟にはいずれもスプリンクラーが設置されていなかったと述べ、「消火器や避難誘導灯は設置していた。防火や避難態勢について消防から指摘されたことはない」と説明。「煙と炎がこんなに早く回るとは思っていなかった」と話した。

 火災は6月20日午後2時ごろ発生。工場3棟と3階建て事務所1棟を全焼し、約7時間15分後に鎮火した。当時、工場全体で従業員約100人中、ベトナム、中国人実習生18人を含む65人が勤務していた。

 関係者によると、事務所棟は1972年に新築され技能実習生らの寄宿舎にもなっている。工場棟は50年ほど前に建てられたものが多く、随時増築されている。

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