過去最高の約100人が参列した法要=6月13日、福井県福井市東大味町の明智神社

 戦国武将、明智光秀を主人公とするNHK大河ドラマ「麒麟がくる」が来年放送されるのを前に、光秀を祭る福井県福井市東大味町の明智神社を“聖地巡礼”する人が増えている。これを受け、地元住民はホームページ(HP)を開設、今年の光秀の法要ではお茶とお菓子も振る舞った。山あいの静かな集落の住民は、突然の脚光に戸惑いつつ「できることから始めたい」と真心込めたおもてなしへ一丸となっている。

 美濃から逃れた光秀は、朝倉氏に仕えた数年間、妻子と東大味町で暮らしたとされる。集落内の西蓮寺には柴田勝家らが発給した、地域の安全を担保する書状「安堵状(あんどじょう)」があったことから、集落は一向一揆の被害を免れた。住民を気遣った光秀が勝家らに発給させたと伝わる。こうしたことから住民は、光秀を「あけっつぁま」と呼んで慕い、光秀の座像を守り1886年には明智神社も建てた。1993年、集落全体で神社を守ろうと奉賛会が発足した。

 2018年4月、NHKがドラマの概要を発表して以降、神社を訪れる県内外の光秀ファンや歴史愛好家が増えた。奉賛会が光秀の命日の6月13日に営む法要に、今年は過去最高の約100人が参列した。奉賛会は今年、参列者の増加を見込んで神社近くに駐車場、トイレがないことを3月に開設したHPで周知。神社から約200メートルの距離にある集落センターに駐車するよう呼び掛けた。

 法要では、地元の女性3人がお茶とお菓子を振る舞った。お菓子は手作りの水まんじゅう。紙皿に、地元で取ったササを敷き、光秀のキキョウ紋をモチーフとした水色のシールを張るなど随所に工夫を凝らした。参列した女性(47)が「暑かったので冷たいお茶とあっさりした水まんじゅうがうれしかった」と話すように、振る舞いは大好評。振る舞った女性(48)は「自分たちのできるおもてなしができて良かった」と笑顔を見せた。

 奉賛会の熊谷静夫会長(64)は「地元でひっそりと守り続けてきた神社にいきなりスポットライトが当たってやや戸惑っている」とする一方、「住民一丸で参拝者をもてなしたい」と意気込む。神社周辺にトイレや駐車場を整備するよう市への要望も続けている。

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