激しく煙を上げて燃える豊島繊維の工場。左は松岡中学校グラウンド=6月20日午後3時55分ごろ、福井県永平寺町松岡石舟(日本空撮・小型無人機ドローンで撮影)

 6月20日午後2時5分ごろ、福井県永平寺町松岡石舟の織物製造「豊島繊維」の工場で「火災が起きている」と警察官から110番があった。鉄筋コンクリート平屋建ての工場3棟と3階建ての事務所1棟を全焼し約7時間10分後に鎮火した。敷地内から4人の遺体が見つかった。出火直後から従業員4人と連絡が取れなくなっており、県警福井署が身元の確認を急いでいる。別の従業員4人がやけどなどで病院に搬送された。いずれも軽傷。

⇒避難の従業員「逃げるだけで精いっぱい」

 連絡が取れていない従業員は50代の男女と20代の男女。

 敷地には工場6棟、事務所、倉庫などが並び、工場の1棟から出火したとみられる。福井署によると、出火当時、敷地内には外国人技能実習生を含む60人以上がいた。同署と永平寺町消防本部は21日午前9時半から実況見分を行い、原因を調べる。

 現場は、北陸自動車道福井北ジャンクションの東側約1・6キロの、住宅や田畑が混在する地域。松岡中学校の南西に面しており、同校は出火時、体育館にいた全校生徒約300人を午後3時頃からバスやワゴン車などで帰宅させた。

 永平寺町は午後2時20分に災害対策本部を設置。松岡公民館に避難所を開設した。職員が付近の住民に避難を呼び掛けた。火災の影響で、付近ではケーブルテレビや電話などに支障が発生した。復旧は21日以降になる見込み。また、工場周辺の5戸が一時停電した。

 豊島繊維はダウンジャケットやスポーツ衣料向けの超軽量・高密度生地などを生産し、旭化成など大手に販売している。豊島繊維のホームページや民間調査会社によると、設立は1963年。従業員は約100人。

 福井県内の近年の工場事故は、2018年7月、プロテインケミカルの化学工場(若狭町)が爆発し1人が死亡。同9月、東洋紡敦賀事業所(敦賀市)で工場2棟の計約2万3千平方メートルを焼いた。今年5月には大阪特殊合金勝山工場(勝山市)で爆発事故があり、その後1人が死亡した。

⇒【写真】炎と黒煙の火災現場、消火活動

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