大型トラックに荷を積む運転手ら。長時間労働是正など、業界では働き方改革が急務となっている

 国内貨物輸送の90%を担うトラック運送業界。4月に施行された働き方改革関連法では、トラックなど自動車運転業務の残業規制の導入は2024年度まで5年間猶予されているが、小規模事業者が多い業界では長時間労働と人手不足の改善は容易ではない。福井県内の業者は「低運賃、低賃金、長時間労働の悪循環を絶つには時間が掛かる。今、改革に取り組まないと人材も来ない」と危機感を強めている。

 ■荷待ち、荷役

 「拘束時間は16時間とか、下手したら24時間ということも。睡眠時間はいつも4時間程度だった」。福井県内の50代男性運転手は、数年前まで勤めていた運送会社の業務を振り返る。量販店向けの日用品などを運んでいた。

 福井市内から10トントラックで中京方面に走り、荷主の倉庫に着く。「荷物を積むだけなら15分で終わる」ところだが、実際は他のトラックの作業や荷物の到着を待つ「荷待ち」が数時間あり、ドライバーが自ら荷をチェックして積み込む荷役作業に4、5時間掛かることもある。

 荷役など運送以外の「付帯業務」は、ドライバーの長時間労働を招く要因の一つだ。この男性は現在、別の運送会社で働いており「こちらは荷物が積みやすいようにまとめられていて作業がスムーズで、体が楽になった。ただ、以前の会社のようなところは多いと思う」と話す。

 ■値上げ交渉に半年

 福井県内には改革に向け奮闘する経営者もいる。運送・倉庫業のアイシー物流(福井市)は、中長距離を走るトラックにデジタル式運行記録計(デジタルタコグラフ)を装備する。トラックの位置のほか荷積み、待機などの状態をチェックできる。

 同社では昨年から、記録計のデータを分析して運転手の労務管理に活用、長時間労働の改善で成果を上げてきた。吉川浩史社長は「データを見せて、運賃改定や作業の効率化を荷主と話し合う。今までがサービス過剰だったことを理解してもらいたい」話す。

関連記事