福井県警鯖江署交通課で活躍する元JETSメンバーの河合菜摘巡査=同署

 福井商業高校チアリーダー部「JETS」出身の女性警察官が、福井県警鯖江署交通課に配属されて2年目を迎えた。同校で全米選手権を制覇したメンバー。悲惨な事故の対応や夜勤など過酷な業務もある中、高校時代に鍛えた体力や精神力を糧に、日々明るく笑顔で立ち向かっている。

 河合菜摘巡査(25)で、高校3年時に全米チアダンス選手権優勝に貢献した。2014年に警察官に採用され、福井南署明里交番、県警留置管理課を経て18年から鯖江署交通課に配属された。

 中学校時代、落とし物の財布を拾って永平寺署(現福井署永平寺分庁舎)に届けた際、ベテラン署員が温かく対応してくれたことが警察官を志すきっかけとなった。「優しい口調でお礼を言われ、持っていって良かったと感じた。私も一人一人に、丁寧に対応できる警察官になりたいと思った」。高校卒業の年に受験した際は不合格となったが、翌年再挑戦して夢をつかんだ。

 持ち前の体力、気力はJETSで連日、厳しい練習に励んだ成果だ。交通課の業務は事故の処理や取り締まりなど多岐にわたり、台風や大雪の日に終日、屋外で事故処理に当たることもあるが、「耐えられるのはJETSの力」と笑う。

 死亡事故の際は、遺族との対応に苦慮した。掛けるべき言葉を何度も考えて選びながら話したが、「この言葉で良かったのかと悩み、難しさを痛感した」。

 それでも「地域の人に身近で、強く、頼れる存在でありたい」との思いはぶれない。別の事故でけがを負った被害者からは「あなたが笑顔で話しやすかった」と言われた。「自分が掲げている目標の最低ラインには達せたのかな」と手応えを得ている。

 現在もJETSのOGチーム「Grace JETS(グレース・ジェッツ)」の一員として週2回、福井市内で練習する。私生活を充実させつつ、この先も仕事を続けたいという。「いい意味で仕事に慣れたくない。事件や事故は毎回違う。一つ一つが経験」と前を向く。

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