【越山若水】トランプさんは「米国を再び偉大にする」との公約を達成済みと考えているらしい。何でも、温暖化対策のパリ協定や環太平洋連携協定(TPP)から強引に離脱して世界をあぜんとさせた件は「実績」なのだそう▼それをグレート(偉大)と言ってしまうトランプさんの感覚は、日本から見ていると戸惑うばかりである。敬意を込めた賛辞のはずのこの言葉、もしや異なる意味が含まれていたかとすら思えてきて、ネットを調べてみた▼分かったのは、意外に軽く使われていることだった。複数の英会話サイトに「褒め言葉で一番の頻度」「グッドとほぼ同じ」と出てくる。「何と言っていいか分からないとき取りあえず使っておけば安心」と説明する記事まであった。まさかと思うがトランプさんの用法はどうだろう▼トランプさんの自国主義には熱心な支持がある。来年の大統領選の再選出馬表明で言った「失望させない」とのメッセージを信じる人たちだ。米国政治を研究する安井明彦さん(みずほ総合研究所)は、対抗する政治家・政策が出てくるとすれば「次の世代からだろう」とみる▼トランプさん率いる共和党に対し、民主党の候補予定者は20人以上。最有力は76歳のバイデンさんで、73歳のトランプさんより年長である。米国の若い人たちが、今の政治をどう見ているか。この大統領選、それを知る機会になる。

関連記事