品薄状態が続く急発進抑制装置の売り場=福井県福井市高柳2丁目のオートバックス福井北店

 高齢ドライバーのアクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故が全国で相次ぐ中、福井県内のカー用品店などで急発進抑制装置の問い合わせや販売が急増している。大手カー用品店では、前年同期比で3~4倍の売り上げがあり商品の入荷待ちとなっている。高齢者の家族からの問い合わせが多く、売り場担当者は「現在の新車に装備されている安全装置と比べ機能は限定的だが、踏み間違い事故は一定程度防げる」としている。

 急発進抑制装置は、アクセルが急激に踏み込まれた際に車速信号を検知、アクセルを電気的に制御する。アクセルとブレーキが同時に踏まれた場合には、ブレーキ動作を優先させる機能を備えるタイプも各社から発売されている。装置は取り付け料込みで3~4万円が主流。

 東京・池袋で4月に母子が死亡したケースや、福岡県福岡市で今月4日に起きた交差点突入など高齢ドライバーによる交通死亡事故が相次ぐ中、急発進抑制装置は後付けでも設置できることから注目を集めている。

 オートバックス福井北店(福井市)では、事故が目立ち始めた春ごろから問い合わせが急増。平日で1件以上、土・日曜は2~3件のペースで「抑制装置はあるのか」「新車の安全機能とどこが違うのか」との問い合わせがあるという。「春までほとんど動きがない商品だったが急に売れ出した。販売数も前年同期比3~4倍で、現在は在庫がない状態」と売り場担当者。また仮に在庫があっても、車によって異なる取り付け部品が必要なため、「事前に予約してほしい」と話す。

 同様の商品を扱うイエローハット福井大和田店(福井市)でも「5月ごろから欠品が続いている。問い合わせは多い日で5~6件あるが、入荷のめどがつかない」と担当者。6月11日には東京都の小池百合子知事が、急発進抑制装置を取り付ける費用の9割程度を補助する方針を決めたことも装置の在庫逼迫(ひっぱく)に拍車を掛けそうで、同店の担当者は「地方にはなかなか装置が回ってこない恐れもある」と見通す。

 いずれの店舗でも問い合わせの多くは、高齢の親を心配した子ども世代からが多い。ただ、装置への過信は禁物で「停止した状態からの踏み間違いには効果があるが、走りだしてからの踏み間違いには効果がない」と店関係者は注意を呼び掛けている。

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