最大21センチを超える火山灰の想定がされている関西電力高浜原発=福井県高浜町

 原子力規制委員会は6月19日の定例会合で、関西電力に対し福井県の高浜、大飯、美浜3原発について鳥取県の大山の大規模噴火火山灰対策として原子炉の設計変更行い再稼働審査の一部やり直しに必要な申請をするよう命令を出した。規制委員会は降灰の想定量を引き上げ、5月末に設計変更を命ずる方針を決め関電に伝え、関電から弁明を行わず再申請する方針が同委員会に示されたため、岩根茂樹同電力社長あてに命令した。

 高浜1,2,3,4号機、大飯3,4号機、美浜3号機が対象となる。

 3原発で想定される降灰を巡っては、関電がこれまでの審査で、約200キロ離れた鳥取県の大山が噴火した場合のシミュレーションなどを基に、いずれも10センチと想定し安全対策をとっていた。規制委も当初10センチを妥当とした。

 その後、大山からの距離がほぼ同じ京都市で、約8万年前の地層に30センチの火山灰層があるとする論文が発表され、規制委が昨年12月に関電に再調査を指示。関電が調べた結果、高浜21・9センチ、大飯19・3センチ、美浜13・5センチと新たに予測され、規制委は降灰の想定を引き上げた。10センチの設定では「想定される自然現象」の対策では明らかに不適合とした。

 原発に想定を超す火山灰が降ると、重要設備の非常用発電機で吸気フィルターの目詰まりなどが懸念される。関電は降灰の想定が引き上げられても、10センチ想定の対策で安全上問題ないとしていた。

 5月29日の委員会で再稼働の申請を行うよう命令する方針を決め、関電に6月12日までに弁明するよう求めていた。関電は当初想定が引き上げられる前の対策で安全上問題ないとの立場だったが、規制委の方針を受け入れ年内に再申請する立場に転じた6月11日に弁明を行わないと回答した。

 回答書では、「原子炉設置変更許可申請を(提出期限となる)12月27日までのできるだけ早い時期に行う」としている。

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