児童の先頭でサルに目を光らせる見守り隊の隊員(右)=福井県福井市大森町

 ニホンザルの出没が相次いでいる福井県福井市清水西地区で、サルから子どもを守ろうと、住民とPTAが「見守り隊」を結成、活動を始めた。全国でも珍しい取り組みといい、児童の下校に週2回付き添っている。小学校や公民館には撃退用のロケット花火を配備し万全を期している。

 同地区自治会連合会によると、数年前からサルが出没するようになった。当初は農作物被害にとどまっていたが、徐々に行動が大胆になり、児童に近づいたり追い掛けたりすることも。髪を引っ張られたとの情報も寄せられ、保護者から「子どもだけでの下校は不安」との声が上がり、PTAが見守り隊結成を決めた。

 当初はPTAのみで結成する予定だったが、志願者が少なく、住民から有志を募ったところ30~70代の55人が名乗りを上げた。PTAでも志願者が増え、最終的に183人が名を連ねた。自治会連合会の齊藤藤伸会長(68)が隊長に就任した。

 児童が集団下校する月、木曜日に活動し、月曜はPTA、木曜は住民が担当する。児童の下校ルートのうち、昨年に目撃情報が多かった「山内町・笹谷町」「加茂内町・野口区」など5ルートで隊員が1人ずつ付き添う。サルが襲ってきた場合「ビリリリ」と大きな音が鳴る約60センチの棒で威嚇し、追い払う。清水西小学校と清水西公民館には撃退用のロケット花火も配備した。

 ゴールデンウイーク明けから活動をスタート。隊員おそろいの帽子も届き、さらに士気が高まった。熱意が伝わったのか、これまでの活動中にサルは出没していないという。

 6年生の女子児童は「夏は週に一度のペースで現れる。これからが不安だったが大人がいると心強い」と笑顔。森永哲也校長も「サルは相手を見極めるため、大人がいてくれるのはありがたい」と喜ぶ。こうした声に齊藤隊長は「登校時もできるだけ同伴する。子どもを守るため全力を尽くす」と意気込んでいる。

 サルなどの獣害対策に詳しい兵庫県立大学自然・環境科学研究所の山端直人教授(野生動物被害管理)は、サルからの見守り活動は全国でも珍しいとし「子どもを見守りつつ、サルを地域から追い払うという意識が高まっているのは素晴らしいこと」と話している。

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