参加者の質問に笑顔で対応する宇宙飛行士の古川聡さん(右)=6月16日、福井県福井市のアオッサ県民ホール

 宇宙航空開発研究機構(JAXA)の宇宙飛行士古川聡(さとし)さん(55)が6月16日、福井県福井市のアオッサ県民ホールで講演した。古川さんは国際宇宙ステーション(ISS)滞在時の無重力体験について「とても不思議な世界だった」と魅力を説明。宇宙飛行士の資質に関しては「最も大事なのはチームワーク。約20年前には私を含めた3人が選ばれ、10年前にも3人が選ばれた。次はみなさんの番です」と話し、宇宙を舞台に活躍する夢を描く子どもたちに向けてエールを送った。

 講演は、15日に同市で開幕した航空宇宙の国際会議「第32回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)福井大会」の一般向け事業として企画され、約500人が聴講した。

 医師でもある古川さんは、2011年6月~11月にISSに滞在し、医学実験やISSの維持管理に従事。14年にはJAXAの宇宙医学生物学研究グループ長に就任した。

 「宇宙の今と未来~君も宇宙へ行こう~」と題した講演で古川さんは、無重力環境下で印象的だった体験を語った。天井だと思っていたところに足を着けたとたん、感覚が変わってそこが床に感じられるようになったとし、「重力の刺激がないので、目を閉じると、自分が地球に対してどっちを向いているか分からなくなる。ISSでは迷子になるといわれていたが、その通りだった」と振り返った。

 このほか、新薬の研究に役立つタンパク質の結晶作りなどの実験やISSでの生活ぶりを紹介した。

 聴講者から好きな宇宙食を問われると、「(日本の企業が開発した)サバのみそ煮が好きです」と回答した。続けて、昨年に若狭高生が開発した「サバ醤油(しょうゆ)味付け缶詰」がJAXAの宇宙日本食に認証されたことを紹介。「(厳しい基準があり)認証されるのは難しい」と高校生の努力をたたえた。

 若い人へのメッセージとして「いろんなことに興味を持ってください。その中から好きなことや得意なことが見つかっていくと思います」と述べた。宇宙飛行士を目指しているという勝山市荒土小6年の児童は「自分の知らないISSの話が聞けて勉強になった。将来は古川さんのように宇宙に行ってみたい」と目を輝かせていた。

関連記事