ビヨンセ『HOMECOMING:The Live Album』

 もう一人のスーパー・ヒロインと言えばこの人。辛苦をなめてきた黒人女性の歴史をアルバム『レモネード』で語った彼女が、黒人であり、女性であることの素晴らしさと誇りを初の黒人女性ヘッド・ライナーとして出場した2018年のコーチェラ・フェスティバルで示したライヴの記録です。タイトルの「HOMECOMING」は大学の同窓会の意味、ビヨンセはこのライヴをHBCU=黒人大学のおかげで社会進出できた黒人たちの同窓会と見立て、全編を黒人のカルチャーで制作しています。ステージに上がったダンサー、オーケストラ、ドラム・ラインは、総勢200人の黒人。デジタルでなく生のドラム・ラインとブラス・サウンドのバッキングで彼女のヴォーカルが力強く響きます。「クレイジー・イン・ラヴ」そしてジェイ・Zとの「デジャビュ」、「ルーズ・マイ・ブレス」はデスチャとして熱唱します。公民権運動を支持した黒人指導者、思想家、詩人たちの言葉も紹介したこのライヴにミシェル・オバマも絶賛の言葉をおくりました。

(ソニーミュージック・配信)=北澤孝

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