杉本達治福井県知事(左)と面談する日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長=6月10日、福井県福井市の福井県庁

 福井県の杉本達治知事は6月10日、日本原子力研究開発機構と日本原電のトップと福井県庁で面談した。高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で7月に予定していた原子炉からの使用済み核燃料取り出し作業が10月に延期されたことについて、杉本知事は不快感を示した上で、「(燃料取り出し時には)理事長が現場で指揮を執り、安全最優先で進めてほしい」と強く求めた。廃炉作業が進む敦賀原発1号機やもんじゅについては、作業への地元企業の参入や雇用促進などを要請した。

 日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長は、もんじゅの燃料取り出し作業延期について、「地元の皆さんに大変ご心配をお掛けしていることを誠に申し訳なく思っている」と陳謝した。杉本知事は「こういうことを繰り返していることは、安全サイドから見た時に良い方向にいっていない。必ず大きなストレスがどこかにたまってくる」と苦言を呈した。

 もんじゅでは昨年8月に廃炉の第1段階である燃料取り出し作業が始まったが、機器トラブルが相次ぎ、2018年度中の目標だった100体に届かなかった。その後、定期検査に入り、トラブルの原因対策や機器の点検などのため今年5月、原子炉からの燃料取り出しを延期すると公表した。

 児玉理事長は22年度の燃料体取り出し完了の工程に変更はないと改めて強調した上で、「私が先頭に立ち、いま一度気を引き締めて安全最優先に作業を着実に進めたい」と決意を述べた。

 杉本知事はこれまでもんじゅがエネルギー研究開発の拠点だったことに触れ、「単に廃炉作業を進めればいいということではない。研究開発拠点だったことが生かせるような方向でお願いしたい」とした。

 児玉理事長は面談後、記者団に対し、「不具合の事象の把握はほぼできた。対策もいろんな試験をして固まってきたので、10月開始は十分できる」と述べた。22年度の取り出し完了の見通しについては「(作業員の)習熟効果を見込んで余裕はみているので、今のところ大丈夫と考えている」とした。

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