踊りの稽古に励む加藤友恵さん=6月8日、福井県福井市の福井・浜町芸妓組合事務所

 福井県福井市の通称浜町の料亭などで活動する「浜町芸妓(げいぎ)」に約6年ぶりに期待の新人が加わった。福井高専2年の加藤友恵さん(17)=鯖江市=は、6月30日の芸事発表会「浜町芸妓 温習会(おんしゅうかい)」で「ともえ」の芸名で初舞台を踏む。本番に向け稽古に励み「同世代に芸妓の魅力を広めたい」と意欲を燃やす。

 加藤さんは、2017年に温習会を鑑賞し、舞台で優雅に芸事を披露する芸妓の姿に心を奪われた。中学校を卒業した昨年4月に花柳界の門をたたいた。かつて350人ほどいた浜町芸妓は現在4人。福井・浜町芸妓組合長のもも子さん=福井市=は「待望の若い女性の加入ですごくうれしかった」と振り返る。

 加藤さんは、平日は学業に励み、週末に福井市の同組合事務所で踊りや三味線、素謡(すうたい)の稽古を積む。自宅でも時間を見つけては自主練習する。さらに「同世代の芸妓が増えてほしい」と、稽古の様子を写真共有アプリのインスタグラムで発信している。

 6月8日は組合事務所で稽古が行われた。素謡では発声の仕方や息継ぎのタイミング、踊りでは足の運び方や姿勢などを先輩芸妓らから教わり、真剣な表情で一つ一つの所作を確認した。「何度やってもできないことがあるとつらい。それでも芸事は楽しいから頑張れる」と笑顔を浮かべる。もも子さんは「まだまだ覚えることはたくさんあるけれど、期待以上に成長している」と目を細める。

 加藤さんは、温習会で三味線を演奏して開演を飾り、先輩芸妓と素謡を披露する予定。「今持てる実力を出し切りたい」と力を込めた。18歳となる来年にはお座敷デビューも視野に入れる。将来は、IT関連の仕事をしながら芸妓の活動をしたいといい「姉さんたちのような芸妓になりたい」と目を輝かせていた。

 温習会は、芸妓の資質向上と後継者育成を目的に設立された福井芸妓伝統育成会が毎年開いている。福井市のフェニックス・プラザで午後2時半開演。チケットは当日2500円、前売り2千円、学生500円。未就学児は入場不可。

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