【ゆるパブコラム】引きこもり経験者が語る生きづらさ

 川崎殺傷事件や元農林水産事務次官が44歳の長男を刺殺した事件などによって、引きこもりに世間の注目が集まっている。現実社会から隔絶した存在として危険視して語られることが多いが、引きこもった人たちにも、向き合い続けている現実がある。今回のゆるパブ・コラムでは、引きこもりに近い状態を経験した福井県内の30代男性に、その生きづらさや望みを語ってもらった。

■その人は引きこもりじゃない

殺人事件の余波で、引きこもりが厳しい視線にさらされている。

引きこもりの定義って何なんだろう。
厚生労働省は「仕事や学校に行かず、家族以外の人との交流をほとんどせず」、筑波大学の先生は「社会参加をしない状態が持続すること」と書いている。「パソコン通信や電話で外の人との接触がある人は該当しない」と書いてあるページもある。
それなら、元農水次官の長男はオンラインゲームの有名人なので該当しなくなるし、在宅で仕事をしている人も該当しないことになる。

僕も厳密には引きこもりではない。
インターネットで外の人と接触があれば、引きこもりには該当しないらしいから。
ネットには引きこもりが集まって雑談が出来るような場所がある。
そこでは自分たちのことを「ヒッキー」と呼んでいる。
僕もヒッキーの一人として、そこに参加していたことがある。

ヒッキーには色んな人がいる。いじめにあった人、過労で心を病んだ人、株とかを売買している人、貯金で細々と暮らす人。
親と同居している人も、一人で暮らしている人もいる。

■親は「採用が難しい」ことを理解してくれない

親の機嫌が悪くなる理由は、子供が働かないからだ。
僕の母親も「働くのが当たり前」「仕事なんて探せば見つかる」という考えの人だ。
実際にいろんな仕事が出来る人なので、挫折を知らない。
だから、「母さんが特別で、誰でも出来るわけじゃないんだよ」と説明しても伝わらない。

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