2019年度の周遊が中止となったレトロバス=福井県小浜市白鬚のまちの駅

 福井県小浜市は、市内のまちの駅(白鬚)、道の駅(和久里)、海の駅(川崎1~3丁目)の3駅間を無料運行するレトロバスの2019年度周遊を取りやめた。バス停の追加やコース変更で、てこ入れを図ってきたが、乗客数は下降の一途をたどってきた。市は、観光客の多くが自家用車で小浜を訪れていることが原因とみており、バスの新たな活用法を探っている。

 市は観光まちづくり計画で、観光客に三つの駅を回遊してもらう「3駅構想」を掲げており、バス運行はその一環。国の補助金を活用し、ボンネット型の中古車両を購入して改装した。経費は約880万円。定員21人で乗車は無料。

 まちの駅のオープンに合わせ、2016年から土日・祝日に運行を始めた。初年度は、まちの駅、JR小浜駅、道の駅「若狭おばま」、海の駅エリアにある市食文化館、古い町並みが残る三丁町の5カ所を周遊し、約2800人が利用した。

 17年度は山川登美子記念館周辺などバス停を増やして利便性を高めたが、利用者は約1300人と大幅減。18年度は1日の運行数を1便減らして4便にする一方で、市中心部だけでなく、由緒ある神社や寺院がある遠敷地区方面も走るルートにコースを延長。それでも減少に歯止めはかからず、約800人にとどまった。

 車内に無料の公衆無線LAN「Wi-Fi」を設置したり、ガイドを務めるコンシェルジュを配置したりとサービス面の充実も図ったが、乗客がいない状態で運行する便もあり、19年度の周遊中止を決めた。

 市商工観光課によると、自家用車で市内を巡る観光客が多く、利用者が振るわなかったと分析。便数を減らしてコースを延長したことで、乗りにくくなったという声もあったという。一方、利用して良かったという声も寄せられており、「コンパクトに市内を周遊できるのは利点で、一定の魅力はある」とみる。バスは廃車にせず、イベントでの活用や新たなコース設定などを模索していく。

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