東京公演で演奏する826askaさん

 電子オルガンを弾く「ユーチューバー」の少女が、単独ライブで数百人を集めるまでになった。今春CDデビューした高校3年生の826askaさん(17)=福井県鯖江市=は現在、全国ツアーのまっただ中。「電子オルガン奏者としては“未知の道”かもしれないけど、手探りしながら全力でステップアップしていきたい」と前を向く。

⇒【連載】福井のアーティスト続々紹介!

 上下2列の鍵盤を弾きながら左足でペダル鍵盤、右足ではピッチやボリュームを操る。その姿は中学2年生のとき、動画投稿サイト「ユーチューブ」で国内外に広まった。奥行きあるオープニングが印象的な「スター・ウォーズ」メドレーは「キレがすごい」と話題になり、1カ月足らずで再生100万回を突破。各メディアで「天才少女」と取り上げられ、イベント会社やレコード会社の目にも止まった。

 今年3月にはヤマハミュージックコミュニケーションズから初アルバムをリリース。東京を皮切りに石川県、京都府、宮城県など10カ所を巡る2度目のツアーも始まり、「宇宙戦艦ヤマト」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」など十数曲を演奏して回っている。

 「天才少女」と注目された半面、ネット上では「だれでもできる」などという中傷も受けた。しかし、心の支えはライブでのファンの反応。ツアー初日の東京公演ではアイドル感覚で応援してくれる若年層、親子連れ、孫の成長を見守るような60歳代で500席が埋まり「アンコールの拍手をもらったときは、これ以上ない充実感があった」。もともと引っ込み思案を克服しようと始めた動画投稿だったが、今や演奏もトークも1人でやり切り、すっかり度胸が付いてきた。

 電子オルガンの魅力を「多くの旋律を1人で重ね、オーケストラの指揮者になった気分になれる」と表現し、「原曲に近い再現力が持ち味」と自己分析する。聞きやすいよう間の取り方や音の入れ方に独自の工夫を施すなど、演奏技術の研究も欠かさない。「何が起こるか分からないからこそ、どんな道が開けてくるか楽しみ」と目を輝かせる。

 ■826aska 5歳からピアノ、8歳から電子オルガンを習い始め、小学生のころに映画やドラマ、アニメの音楽をユーチューブに公開し始めた。現在、チャンネル登録者は32万人を超える。昨年の初ツアーに続き、今年3月に初アルバム「DEPARTURE」を発売。今年の全国ツアーでは、福井県福井市のアオッサ県民ホールで6月29日に公演する。

関連記事