ひと月に数回「寝違え」を起こします。決まって首の左側が痛くなり、3~4日ほど痛みが治まりません。首を回すのがつらく、車の運転に支障があるほどです。低い枕だと寝付きが悪い感じがして、高めの枕にしているのが原因でしょうか。寝違えを起こさない方法や、起こした後の対処法を教えてください。(福井市、40代男性)

【お答えします】上田康博・県立病院整形外科医長

■同一姿勢が原因、他の病気の可能性も

 目が覚めたときに、首の後ろや首から肩にかけて痛みが生じることを「寝違え」と言います。首を動かすと痛みが出る時もありますし、痛みで首を動かせない時もあります。原因として(1)睡眠中に不自然な姿勢が続いたために一部の筋肉が阻血(血液の供給が不足)に陥る(2)スポーツや労働により筋肉が疲労している(3)頚椎(けいつい)の後ろの関節(椎間関節)に炎症が起こる―などが考えられます。

 しかし検査や画像でとらえられるような変化がないのが一般的です。筋肉の阻血・疲労や関節の炎症を引き起こすのは、上肢の使い過ぎやパソコン作業など同じ姿勢の持続が原因の場合が多いと思われます。

 寝違えは起床時に痛くなり、数時間から数日で痛みが改善していくのが一般的です。痛みが強い場合には他の病気の可能性もあります。手足のしびれはないか、手足の動きは正常か、エックス線写真で骨が溶けたりしていないかを確認する必要があります。

 寝違えの場合には、首の動きは制限されていますが、先の診察や検査では変化は認めません。痛みが治まらず診察で異常がある場合には頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症、転移性脊椎腫瘍、脊髄腫瘍、関節リウマチ、化膿性脊椎炎などの病気の可能性もあります。

■血流を良くし無理に動かさないように

 枕の高さが合わず筋肉の阻血が生じているのであれば、阻血の予防に低い枕が有効かもしれません。疲れたときは首や肩の周りの筋肉を温めて血流をよくすることも良いでしょう。寝違えが起こった時には痛い方向には無理に動かさないようにします。湿布には炎症を抑えて痛みをとる薬剤が含まれていますので、痛い部分に貼るのは有効です。

 内服薬では鎮痛消炎薬や筋弛緩薬、こむら返りの治療で使う漢方薬があります。痛い部位に局所麻酔薬を注射する方法もあります。マッサージが有効な場合もありますが、余計に痛くなる場合にはお勧めできません。他の病気を除外し、治療効果を見ながら治療法を考えていく必要がありますので、整形外科医への受診をお勧めします。

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