南越駅周辺の特定用途制限地域

 2023年春に開業する北陸新幹線南越駅(仮称)の周辺のまちづくり計画を決める福井県越前市の策定委員会は5月29日夜、市福祉健康センターで第2回会合を開いた。計画のたたき台をつくる越前市と福井県の幹事会は、駅開業時は「駅周辺に必要な基本的機能」の整備にとどめ、駅周辺の約48ヘクタールを一体的に生かした開発は30年ごろを中期目標、時期未定の大阪開業時を長期目標に据えて方向性を議論する案を提示した。

 計画の対象は、北陸自動車道武生インターチェンジや国道8号からも近い同駅周辺の農地。市は「民間活力の導入」(奈良俊幸市長)を目指し、一帯を都市計画法に基づく特定用途制限地域に定めて乱開発を制限している。まちづくり計画を本年度末に策定し、用途制限の期限とした21年3月までに開発に必要な都市計画を決定する道筋を描いていた。30年以降に中・長期目標を置いたスケジュール案は同駅周辺のまちづくりにおける大きな方向転換になる。

 幹事会は開業時に駅近くに整備する必要な基本的機能の例としてコンビニ、喫茶店、宿泊施設、レンタカー店を挙げた。

 策定委は、学識経験者や地元住民、市内若手経営者、学生の代表、商業施設の開発に詳しい民間の専門家ら15人で構成。目標時期の再設定を念頭に、委員長の南保勝県立大教授は「計画策定にはじっくりと腰を据え、しっかりとしたビジョンの下に進めないといけない。新幹線が来た先にも戦いはある」とあいさつ。委員からも「(48ヘクタールに隣接する土地も含めて)広い範囲でゾーンを決め、10年間くらいは農業と開発が共存できる形を望む」などの意見が出た。

 幹事会はこのほか、前回会合で出された各委員らの意見に沿って、中・長期的に目指すまちの機能として▽農業を中心とした交流拠点▽伝統工芸現代美術館▽スポーツ施設▽大型商業施設を核にした交流施設―などを提案。これらの実現・持続可能性、事業者の進出意欲などの調査を民間の専門事業者に発注し、調査の経過を踏まえながら第3回会合以降の議論を展開するとした。

 

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