福井県広報課の岩田早希代さん(奥)から情報発信の効果的な手法を学ぶ丸岡高地域協働部の部員=5月28日、福井県坂井市の同校

 福井県坂井市の丸岡高校に本年度、部活動では聞き慣れない「地域協働部」が誕生した。目指すところは、社会にイノベーションを起こす地域のリーダー。テーマごとに外部講師を招き、地域の魅力を深掘りし世界に発信していく。手始めに、オンライン百科事典「ウィキペディア」で丸岡の歴史、文化に関連する複数の項目を作成し、多言語化にも挑戦する。

 丸岡高は本年度、文部科学省の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」の指定校となった。グローバルな視点を持ち、地方で能動的に行動する生徒の育成に向け、大学や自治体、市民団体などの協力を得ながらさまざまな活動を繰り広げる。

 地域協働部はその一環として、顧問4人と1~3年の部員29人で4月に立ち上げた。古里のことをもっと知りたいと入部した1年の男子生徒は「福井にはすてきなスポットがたくさんあるのに観光客は多くない。魅力をもっと広めていきたい」と意気込む。

 6月からは、実際に地域を歩き、調べて情報を書き込む「ウィキペディアタウン」に取り組む。丸岡そばなどの項目を日本語だけでなく英語、中国語、ポルトガル語など多言語で作成。丸岡城については既存のページに加筆したり翻訳したりして、歴史的価値を世界にアピールする。

 2005年からウィキペディアの編集や翻訳に携わり、7、8月に同部講師を務める太田尚志さん=石川県=は「大学の授業などでウィキペディアの記事を作成する事例はあるが、高校の部活で通年で取り組むのは非常に珍しい」と指摘。多言語化させる点にも「日本の、あるいは地域の情報がどのような言語を話す人にも届けられるのは素晴らしい」と感心する。

 効果的なPRの手法を学ぶため、今月28日にはユーチューブなどを駆使して情報発信している県広報課の岩田早希代さん(36)を招いた講座も開き、「ガイドブックに載っていない古里の良さに着目する視点を大切にして」とアドバイスを受けた。また、丸岡そば振興協議会のメンバーからそば打ちを学んでおり、12月には台湾の姉妹校でそば打ちを披露、丸岡地域で収穫されるソバの品質をPRする予定だ。

 顧問の西岡晃未教諭は「地域の人との関わりの中で、地元の良さを再発見する力、根拠のある情報を探す力、外に向けて発信する力を身に付けてほしい」と期待する。

関連記事