【越山若水】「aff(あふ)」という小冊子を図書館の雑誌コーナーで見かけた。4月号の表紙に書かれた特集テーマ「『平成』の足跡~農林水産業を振り返る」が目に留まり、手に取ってめくってみた▼日本の農業の実態は予想通り、厳しさを増している。従事者は1990年の292万人から2018年には145万人にほぼ半減。平均年齢も95年の59・6歳から18年には66・6歳へと7歳アップ、高齢化に歯止めがかからない。やはり先行きの不安は消え去らない▼ところが予想を覆す見出しを見つけた。「農業総産出額と生産農業所得が3年連続の増加」。それぞれの15年のデータ、8・8兆円と3・3兆円が17年には9・3兆円と3・8兆円に上昇。日本食ブームで農林水産物の輸出額も9千億円と6年連続で過去最高という▼実を言うと「aff」は農水省の広報誌である。だから少しは割り引いて見る必要がある。すると追い打ちを掛けるようにこんな文章が載っている。「木材自給率が7年連続で上昇 28・1%から36・1%へ」。絶望的に思えた日本の第1次産業に光明が差してきた▼確かに近ごろ、県内でも新しい試みが目に付く。県産ブドウ「ふくぷる」の栽培、ワインづくり研修、さらに養殖のニジマス「ふくいサーモン」や「よっぱらいサバ」など意欲的な事業は枚挙にいとまがない。令和の農林水産業に躍進あれと願う。

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