【越山若水】明らかな得点がノーゴール。改元から間がないのに「令和の大誤審」とありがたくない呼び名が付いた判定がサッカーJリーグで生まれてしまった。どうやら審判の位置取りに難があったらしい▼5年前のW杯ブラジル大会開幕戦で、プロ審判・西村雄一さんのPK判定にクロアチアチームが激高、「誤審では?」と物議を醸したことがある。でも西村さんには確信があった。完璧な位置取りができていたからだ(「スポーツ審判」実業之日本社)▼西村さんが試合で困るのはプレーを自身の目で捉えられないこと。だから、あらゆる局面を想定しつつ、位置取りのトレーニングを重ねている。正しい角度で見てさえいれば、後はそれを素直に判断するだけである▼いったい、どこからものを見ているのかと言いたくなる判断が財務省から出てきた。地方の職員は2025年までに3万人削減できるという。試算といいながら、これから減らしていくぞ、と宣言したつもりだろう。根拠は人口減少ペースという数字でしかない▼虐待対応や子育て支援、高齢者の支援など、暮らしを支える自治体の仕事はどんどん増えている。与野党も虐待については協力していて、児童相談所を強化する改正法の修正案を共同提出した。対応する職員を急いで養成すべき局面なのである。現実が見えていない角度からの横やりはやめてもらいたい。

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