福井地裁=福井県福井市

 キャッシュカードを盗んだとして福井県警に逮捕された特殊詐欺の「受け子」の21歳男が福井県大野市の80代女性宅を訪問した際、イヤホンをして電話で指示を受けながら犯行に及んでいたことが5月23日、福井地裁での初公判で分かった。詐欺グループは連絡手段に、暗号化されたメッセージを送信でき、消去後の復元が困難とされる無料通信アプリ「テレグラム」を使っていたことも明らかになった。

 男は、窃盗罪などに問われている石川県金沢市の無職の男の被告。起訴状によると今年3月27日、福井県大野市の女性宅を訪問。キャッシュカード2枚を封筒に入れさせ、女性がその場を離れた隙に別のカードが入った封筒とすり替え、福井市内の現金自動預払機(ATM)で現金を引き出そうとしたとされる。

 検察側の冒頭陳述などによると、被告はツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)で「簡単な仕事で日当5万円」などと書かれた高額アルバイトを複数発見、それぞれにダイレクトメッセージ(DM)を送った。そのほとんどから「指定した場所に行ってものをもらってくる仕事」と回答され、テレグラムのダウンロードも求められた。

 被告は、テレグラムで自分の住所や自宅の最寄り駅を伝え、運転免許証の写真も送った。犯行前日に指示役の男から「明日、越前大野駅に行き、周辺で待機せよ」との連絡があった。金融庁職員を装うため、服装は白いシャツを指定された。その後「電話をつないでおけば話す内容は指示する」と言われ、女性とはイヤホンから聞こえる指示通りにやりとりした。

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