福井県池田町議会の宇野邦弘議員

 福井県池田町議会議員で、共産党の宇野邦弘議員(67)=池田町=が、2004年の福井豪雨で被災した山林の災害補償金として福井県から集落の団体へ支払われた56万円のうち、45万円を勝手に第三者の口座に振り込ませる不適切経理をしていたことが5月23日、集落の決算書や関係者への取材で分かった。

 宇野氏は「山林の所有者が第三者との認識だった」と釈明。「確認せずに第三者の口座に振り込ませた道義的責任はある」として集落に対し返済を約束した。06年から町議1期目の任期半ばの16年まで10年余りかけて完済したという。不適切経理を行った05年当時、宇野氏は党県常任委員、党南越地区委員長を務めていた。

 問題となっているのは04年7月の福井豪雨で被災した区内の山林への補償金。登記上、山林は集落のほとんどの世帯で構成する「広瀬生産森林組合」が所有していた。翌05年1月、用地と立木の補償合わせ約56万円が組合に支払われる契約が県今立土木事務所(当時)との間で成立した。しかし、関係者によると、組合には約11万円しか振り込まれず、問題になったという。

 当時区長だった宇野氏は区民の追及に対し「自分に責任がある」として自費での返済を申し出た。自身の土地を公民館敷地などとして貸していることから、集落から支払われる年4万4千円の借地代を相殺して返済を続けた。集落の決算報告書には毎年「宇野邦弘氏返済」の項目が記載されてきた。

 宇野氏は現在町議2期目。5月の臨時議会で副議長に選任された。福井新聞の取材に対し「(第三者に支払いさせたのは)伝承でそう思っていたが、今となっては確認は難しい。勝手な判断をした責任がある」と不適切な経理を認めた。その上で「集落内で納得するまで話し合わなかったことを反省している。誤った判断をしたことを肝に銘じ(議員活動を)やっていきたい」とした。

 第三者に返還を求めず、自費で返済したことについては「求めるべきだったが、責任は自分にあると感じ請求しなかった」と話した。

 宇野氏は1984年、池田町長選に出馬。衆院選には96年から、参院選には92年からそれぞれ4回立候補している。2007年、11年には福井県知事選に党公認候補として擁立された。いずれも落選し、15年池田町議選で無投票当選した。

 党県委員会の南秀一委員長は「事実関係を調べ、対応を考えたい」としている。

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