もんじゅの燃料取り出し作業の再開が10月に遅れるとの見通しが示された連絡協議会=5月23日、文部科学省

 文部科学省は5月23日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉作業計画を立地自治体に説明する連絡協議会を同省で開いた。使用済み燃料の取り出し作業の再開について、昨年度相次いだ設備の不具合の対策を工程に組み込み、当初の7月から10月に約3カ月遅れるとの見通しを明らかにした。藤田穣副知事は「全体計画の信頼性に不安を抱かせかねない」と批判。敦賀市の渕上隆信市長は「安全を最優先に2022年度に取り出しを完了させることが肝要だ」と指摘し、国の指導監督を強化するよう求めた。

 連絡協議会には藤田副知事、渕上市長、文科省の佐伯浩治研究開発局長、経済産業省資源エネルギー庁の小澤典明資源エネルギー政策統括調整官が出席した。

 文科省側は、日本原子力研究開発機構が設備の不具合の原因究明や改良に時間が掛かり、作動状態などを確認する試験や訓練を追加するため、原子炉からの取り出し作業を10月に延期すると報告。取り出す本数も110体から100体に減らすと説明した。

 作業の習熟、体制強化が見込まれる21、22年度に取り出す本数を増やし、「22年度の燃料体取り出し完了は変更なく、もんじゅ廃止措置の全体工程にも影響ない」と強調した。

 藤田副知事は「昨年度に続き計画を守れなかったことは残念。国と原子力機構が十分協議した上で廃止措置計画を策定しているのか、不安を抱かせる。国は的確な指示、厳格な工程管理を行い、県民の安心信頼につなげてほしい」と注文。渕上市長は「原子炉からの取り出しに向け、機器の状態確認や作業員への訓練を入念に行い、慎重に作業してほしい。敦賀地域全体での雇用をどう維持するのかも早期に道筋を示してほしい」と要望した。

 使用済み燃料や冷却材のナトリウムの搬出先についても、藤田副知事は「検討を加速して、節目、節目で状況を知らせてほしい」と求めた。

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