新たなスタートを切ったそば店「うるしや」と原崎衛さん=5月16日、福井県越前市京町1丁目

 大正時代の建物が多く残る福井県越前市街地の寺町通り(京町1丁目)に、古い木造建築を再生した飲食店の出店が相次いでいる。4月には越前そばの名店が、新たな経営者の熱意によって復活。県内夫婦が開いた和食中心の総菜店は、早くも地域のお年寄りらの人気となっている。

 長年休業していた、越前そばの名前の由来にもなった名店「うるしや」が4月21日、新たな経営者の下で復活した。歴史を感じさせる店舗の趣はそのままに、新しい料理人たちは「越前そばの“1丁目1番地”となる店の看板を、100年先まで残したい」と張り切っている。

 県内麺類業の組合理事長を務めた故中山重成さんの著書によると、昭和天皇が1947(昭和22)年、うるしやのおろしそばを大変お気に入りになったという逸話が、越前そばの名前の由来。惜しまれながら二十数年前に休業した老舗を、東京で越前そばの店を経営する原崎衛さん(50)=福井県勝山市出身=が引き継いだ。

 先代のそばを守って麺に抹茶を練り込んだ「名代(なだい)そば」をはじめ、夜には本格的なそば懐石も提供する。柱や梁が黒光りした店内の座敷は坪庭に面し、凜とした雰囲気が漂う。「おろしそばは福井の風土、文化が生んだ大切な食。その原点の店のバトンは、責任を持って受け継ぐ」(原崎さん)。越前そばの歴史を刻んできた名店が、令和の幕開けとともに第2章を歩み始めた。

 営業時間は午前11時~午後3時、同5時~同10時(水曜定休)。電話0778(21)0105。

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