福井県と敦賀市(福井県)の補助金を受けながら、実質稼働3年で撤退することになった郵船商事の植物工場=福井県敦賀市和久野

 市は同社に総額約1億3400万円を補助。このうち工場建設費などに助成した企業立地促進補助金1億2千万円について、要綱で「操業開始後10年以上、事業継続する」との規定に違反したため指定を取り消し、同社に補助金返還を要求。協議の結果、3年の稼働実績などを加味して7割分の返還で合意したという。

 市商工貿易振興課は「郵船商事の補助金審査で計画書や決算書に問題はなかった」と弁明するが、早期撤退は想定外の事態だ。今回の問題を受け、補助金要綱であいまいな表現となっていた指定取り消しに伴う返還額の規定に関し、操業年数に応じた具体的な返還額を新たに盛り込む改定を行った。

 一方、県は農業参入する企業を支援する「企業的園芸支援事業」の補助金枠で助成。昨年度までに県内の植物工場11件、約13億円を助成しているが、郵船商事のような撤退問題は初めてとしている。県生産振興課は「郵船商事が工場売却や処分を行った場合は補助金の一部を返還してもらうことがある。ただ植物工場の事業継続が大事なので、別業者への譲渡に向け関係者と協議を進めている」としている。

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