レッサーパンダの視力検査キットを手に説明する石井雅子教授=5月20日、福井県鯖江市役所

 一大眼鏡産地にちなんで目に優しいまちを目指す福井県鯖江市は本年度から、子どもの目の健康を増進する「眼育(めいく)プロジェクト」を本格的に始める。専門家と共同で、就学前視覚検診の充実や、目の健康意識を高める啓発活動を行う。

 プロジェクトは同市のシティープロモーション事業の一環。新潟県新潟市で目の保健指導などを行っている新潟医療福祉大学の石井雅子教授と共同で取り組む。

 視力は就学前後の幼児期までにほぼ完成し、弱視治療は目の成長時期を逃すと難しくなる。さらに聴覚などと違って視覚異常は本人や保護者が気付きにくい問題がある。

 石井教授は弱視の早期発見につなげようと、3歳から就学前の子どもを対象にした検査キットを製作した。片目が空いたレッサーパンダのお面を身に着け、検査というよりも遊びの感覚で取り組んでもらう。正確な視力値は測定できないが、保護者や保育士らが子どもの目の異常に早く気付くことを目的としている。

 子どもの視力低下とスマートフォン利用の関連性についても調べる。研究成果がまとまれば鯖江市内の眼鏡企業の高い技術力を生かし、スマホ用眼鏡の開発・販売を目指す。また、絵本などの教材で目の大切さを訴えていく。

 5月20日、鯖江市役所で開かれた記者会見で、石井教授は眼鏡産地との共同事業について「眼鏡の役割は見え方の改善だけでなく目の健康を守るもので、鯖江だからこそできることがあるはず。眼育を鯖江から全国に広めたい」と述べた。

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