2019年3月期決算の概要を発表する福井銀行の林正博頭取(左)=5月10日、福井県福井市のユアーズホテルフクイ

 福井県内に本支店を置く福井銀行、福邦銀行、北陸銀行、北國銀行の4地銀の2019年3月期決算が出そろった。マイナス金利政策に伴う超低金利下で、各行とも貸出金利息収入が低迷、本業のもうけを示すコア業務純益は3行が減益となった。今期(20年3月期)も、米中貿易摩擦などによる取引先の業績悪化で不良債権処理コストがかさむことが懸念され、収益環境は苦境が続きそうだ。

 ■異常な金融緩和

 「日銀が続けている異常な超金融緩和が、収益を圧迫している最大の要因だ」。北國銀の安宅建樹頭取は決算会見の席上で語気を強めた。貸出金利回りは前期末の1・13%から1・06%に低下、収益の柱である資金利益は前期比で約9%減った。

 福井銀の林正博頭取は「今の金利水準が続くようなら、損益ベースに及ぼす影響は大きい。そこを一度にカバーするものはない」と指摘。注力する中小企業向け融資は件数、額とも増加傾向で、取引先の経営課題を解決し、成長につなげる「事業性理解」を継続していく考えを示した。

 福邦銀はコア業務純益が5期ぶりに前期を上回ったが、渡邉健雄頭取は「増益と言っても決して高い水準ではない。長引く低金利で厳しい収益環境であることは間違いない。顧客のニーズに応えながら地道にやっていくしかない」と気を引き締めた。

 ■米中協議を注視

 今期は4行とも経常利益は減益を予想。福井銀は、不良債権処理など与信関係費用が7億円程度に膨らむと見込む。林頭取は「米中貿易協議の結果がどうなるか。(県内企業が)そこまで大きく落ち込むと思っていないが、先行きに不安がある」と取引先の業績悪化に懸念を示した。

 北國銀の安宅頭取も「原材料コスト上昇や人件費の上昇に加え、需要が伸びず、業績悪化している企業もある。少子高齢化、人口減を踏まえ(業績悪化の)兆候がある時は早めに引当金を積む」と語った。北陸銀も貸し倒れなどに備え、与信費用を前期比6億円増とし、純利益は前期比22%減と予想した。

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