敦賀港経由で東京と欧州を結んだ「欧亜国際連絡列車」の東京発ベルリン行き切符。片面は日本語(左)、もう片面は英語表記となっている

 1902年に敦賀(福井県)-ウラジオストク間の直通航路が開設し、12年には敦賀港経由で東京-ヨーロッパをつなぐ「欧亜国際連絡列車」が開通した。従来の航路利用なら約40日かかったところを、15日間で結ぶ画期的な最短コースとして世界から脚光を浴びた。この列車の「東京発ベルリン行き切符」が、福井県若狭町の男性(71)宅で大切に保管されている。

 切符は昭和初期に使用されたとみられる。「西伯利(シベリア)経由欧亜連絡」と記され、片面には日本語、その裏面には英語の表記がある。東京からベルリンまでの運賃は1等車で440円で、当時の公務員給与の約5カ月分に当たるという。

 切符の持ち主の男性は、父親が旧国鉄に務めていて、旧敦賀港駅で働いていた際、ベルリンから東京まで帰る途中の客から使用済みの往路分の切符を譲り受けた。

 敦賀港は大陸への玄関口として重要度を増し、シルクハットの紳士や豪華なドレス姿の婦人が降り立ち、異国情緒にあふれていた。男性は「切符を見ると、当時の人の往来や港の活気が脳裏に浮かぶ」と話す。現在、この切符の複製が敦賀市立博物館に展示されている。

関連記事